2023 Fiscal Year Research-status Report
歯の形成におけるDNA損傷/修復のメカニズムの解明
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23K09434
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 真依子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40584587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | DNA修復 / pontin |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAは、紫外線、放射線、化学物質などの外部刺激によって日常的に損傷されている。さらに、DNAは、細胞分裂におけるDNAの複製ミスなどの、正常な代謝活動でも損傷する事がある。しかし、通常は、DNA修復機構が損傷したDNAを瞬時に修復するため、正常な組織で損傷したDNAを目にすることはない。一方、修復不可能なDNAの損傷が生じた場合には、アポトーシスの誘導によって速やかに細胞そのものが除去される。胎児は、DNAを損傷する最大の要因である外部刺激に晒されないため、成体の細胞に比べ、DNA損傷のリスクは大幅に減少すると考えられる。一方で、胎生期は、成体に比べ極めて旺盛な細胞分化、細胞増殖などの活性を有するため、内因性因子によるDNA損傷のリスクは成体よりも大きい可能性がある。事実、予備実験において、胎生期の歯胚領域に、DNA修復因子の発現を認めた。しかし、胎児期におけるDNA損傷やDNA修復機構に関しての報告はない。そこで、歯の発生におけるDNA損傷・DNA修復機構につて検索するために、DNA修復分子の一つであるPontinを上皮特異的に欠損させたマウス(Pontinfl/fl;K14Cre)を作成し、歯胚を観察した。その結果、Pontin欠損マウスの歯胚は、蕾状期(胎生13.5日)までは形態に異常は認められなかった。胎生15.5日で、口腔上皮と歯胚を結ぶ上皮が欠損しているものが認められるようになった。一方、毛包に著しい異常は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Reptinの上皮細胞特異的欠損マウスが繁殖せず、必要量のマウスを獲得するのに予想以上の時間を要したため、予定していた分子の発現の確認ができなかった。次年度は、DNA損傷・修復関連分子の発現を、in situ hybridization、qPCR、免疫染色法にて確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの数を増やすことで必要数のマウスが獲得できたので、DNA損傷・修復関連分子の発現を、in situ hybridization、qPCR、免疫染色法にて確認する。
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Causes of Carryover |
今年度、サンプル数の不測のために実施できなかった実験を次年度の実施予定の実験と合わせて行うため。次年度は、DNA損傷・修復関連分子の発現を、in situ hybridization、qPCR、免疫染色法にて確認する。
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