2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathogenic mechanism of mastication and swallowing disorders and development of its treatment therapy using mouse models of Parkinson's disease
Project/Area Number |
23K09440
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 教明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40230750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 知子 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (20805973)
古賀 義之 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50175329)
濱中 僚 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70805986)
森内 絵美 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (70866607)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | モーションキャプチャー / 顎運動 / 筋電図 / 咀嚼 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究手法として、上顎骨の形態情報をマイクロX 線CTから構築し、モーションキャプチャー座標系に座標変換することで、上顎骨に対する相対的な下顎骨の運動を再現することで、咀嚼時の上下顎臼歯の咬合接触の評価を可能とした。3台の高速度カメラとモーションキャプチャーシステムを組み合わせることで、光学式6自由度顎運動計測システムを完成させ、高精度多点同時計測を可能とした。これにより、下顎頭の滑走運動や臼歯部における食物の粉砕臼磨運動時の上下顎臼歯の咬合接触動態の可視化などのダイナミックイメージングを実現できた。また、顎運動と同期した咀嚼筋筋電図を記録するシステムも完成し、筋活動に対応した下顎の任意点(臼歯、切歯、下顎頭点など)の運動の解析、さらには咀嚼運動中の咬合接触の視覚化が可能となり、臼歯の運動軌跡に基づいて、上下顎臼歯の咬合接触開始から臼歯が離開するまでを咬合相として特定できた。下顎頭の運動軌跡に着目すると、開口相後半において、作業側の下顎頭は前方に移動し、平衡側の下顎頭は後方に移動すること、閉口相後半において、平衡側咬筋は活動せず、作業側咬筋が活動することが明確となった。1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンを腹腔内投与したモデルマウスを対象に、左右側下顎頭運動の同調性や上下顎臼歯の咬合接触動態など顎運動の動的最適制御機構を詳細に解析した結果、前頭面および矢状面から観察した咀嚼運動経路が不安定で、Gape sizeが減少した。Cycle durationについては、Total cycle lengthが増加した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パーキンソン病モデルマウスの作製にあたり、その表現型、顎運動パターンの確認に時間を要することとなり、研究の進行に遅延が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
嚥下運動においては、嚥下時における下顎・舌・喉頭の運動と各筋の発火タイミングを解析し、顎舌協調運動と嚥下誘発のタイミングとの連動性の変化を評価する。また、ドーパミン入力時の嚥下の誘発閾値の変化、すなわち嚥下反射の増強効果を評価し、ドーパミン作動薬投与により嚥下誘発が促進されるという仮説を検証する。
|
Causes of Carryover |
動物実験用3DマイクロX線CT装置に不具合が生じ(老朽化のため)、形態データを取得できない期間が長く続いた。このため、動物実験に必要な経費の執行が行えず、次年度使用額が生じ、動物実験に必用な経費を次年度に繰り越すこととなった。 使用計画について、新たに動物実験用3DマイクロX線CT装置が導入されたため、本年度はより多くの顎運動データが取得できる予定である。研究の遅れを挽回すべく、実験に必要な物品、その他を購入する予定である。
|