2023 Fiscal Year Research-status Report
Selective neutralization of Fusobacterium nucleatum using chicken egg antibodies and development of an oral microbiota transition method
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23K09472
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 千穂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80368159)
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
草野 薫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80382498)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 鶏卵抗体 / 口腔細菌叢 / フゾバクテリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
Fusobacterium nucleatum(Fn菌)は,口腔バイオフィルム成熟化の鍵となる細菌で,その強い共凝集能により細菌叢内に歯周病原菌を定着させ,歯周炎など口腔疾患の惹起へと導く.また近年,Fn菌が大腸癌発症など全身疾患にも関与するとの報告がなされてきた.Fn菌は4つの亜種からなるが,各亜種の間でバイオフィルム形成や病原性が大きく異なることから,亜種レベルでFn菌存在量を制御する新手法の開発が待たれている.本研究は,産業応用に好適な鶏卵抗体に着目し,全Fn菌亜種に対する抗体を作成するものである.また,この亜種抗体を我々が構築した細菌叢培養モデル実験に適用し,次世代シークエンシングにより抗体中和反応を介したバイオフィルム構成細菌の遷移を高精度に解析する. 2023年度は,ホルマリン殺菌したFn菌4亜種(Fn-A,Fn-N,Fn-P,Fn-V標準株)の抗原を産卵鶏に免疫し,抗Fn抗体を作成した.カラギナン法を用いて卵黄液より水溶性タンパク質を抽出し,硫酸ナトリウム塩析操作で高純度のIgYを精製した.現在,亜種抗体間の交差反応を凝集試験と各Fn亜種菌体を固相化したELISAにて解析している.また,Fn菌培養液に生成した抗体を添加し,増殖抑制効果を検証している.一定濃度の抗Fn抗体を添加した場合,Fnの亜種特異的な増殖抑制効果が認められつつある.加えて,Fn亜種分離株への抗体反応性を確認するため,Fn菌を選択培地で分離し,特異的プライマーにて亜種を同定している.現在までに,約50株のFn菌株を分離し,各亜種のタイピングを実施している.本研究により,プラーク内でのFn菌(特に病原性の高いFn亜種)や後期定着菌のバランスを選択的に減少させる技術の開発が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
抗体作成が順調に進み,抗体を用いた各種試験の実施を前倒しで実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
亜種抗体間の交差反応を,凝集試験と各Fn亜種菌体を固相化したELISAにて解析する.また,作成したFn亜種抗体が,実際に口腔より分離したFn菌株に亜種特異的に反応するかどうかを確認する.Fn菌を選択培地で分離し,特異的プライマーにて亜種を同定する.各亜種20株分離し,抗Fn亜種抗体との反応性をELISAにて解析する.歯間プラークはFn菌を多く含むことから(Nambu et al., 2019),鶏卵抗体によるFn菌の中和によって,バイオフィルム形成にどの様な影響があるかを詳細に統計解析する.同意の得られた口腔健常者(N=10を想定)より歯間プラークを採取し,改変SHI培地で20時間嫌気培養する.水溶性テトラゾリウムWST-8を用いたMicrobial Viability Assay Kit-WST(Dojindo)で総菌数を揃え,改変SHI培地で培養し,in vitroにてバイオフィルムを形成させる. バイオフィルムは,ジルコニアビーズを用いた細菌破砕,DNA精製の後,16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を増幅し,MiSeq(Illumina)あるいはDNB seq(MGI)にて塩基配列解読を行う.構築済みのQiime 2とRheaを使用したワークフローを使用することで,Fn亜種抗体添加によるバイオフィ ルム構成細菌の遷移を統計解析する.
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Causes of Carryover |
サンプリング時期の遅れにより,次世代シークエンサー(MiSeq)での解析開始が遅れたため.現在は,順調にサンプリングが進んでおり,次年度は計画通りのMiSeqによる解析を行う計画である.
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