2023 Fiscal Year Research-status Report
早期小児齲蝕(ECC)関連細菌Scardoviaの増殖を促す口腔環境因子の同定
Project/Area Number |
23K09475
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安彦 友希 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00470170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 順子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (50633707)
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | う蝕 / ECC / Scardovia |
Outline of Annual Research Achievements |
Scardovia はStreptococcus mutans が検出されない早期小児齲蝕(Early Childhood Caries:ECC)から検出され、ECCとの強い関連が示唆されている。特異的に検出されるのは、口腔内がScardovia の生育に適した環境であるためと推察されるが、その詳細については不明である。 Scardovia はin vitroで培養する際、他の齲蝕関連細菌とは異なり血液成分を含む富栄養培地でしか増殖できない。血清による増殖促進を示す細菌の代表例としてはHaemophilus influenzae が挙げられるが、ヘミンとニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)(X およびV 因子)を必要とすることが知られており、本菌も同じようなXおよびV因子が存在することが予測された。 そこで本研究では、Scardovia の増殖促進因子を同定し、その作用機序を解明することで、ECCの効果的な治療方法の提案に繋げることを目的とした。 初年度は、XおよびV因子の候補を見つけるために、さまざまな物質(主に血清成分由来)を培地に添加し増殖促進効果の有無について検討した。その結果、いくつかの候補となる物質を絞り込むことができた。 次年度はそれらの物質を添加した際のScardoviaの代謝活性の測定(自動中和滴定法:pH-stat)や代謝産物の同定(高速液体クロマトグラフィー法:HPLC)を行い、どのようなメカニズムで増殖促進が起こっているかを確認する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、Scardoviaの増殖促進因子を見つけることを目的とし、培地にさまざまな物質を添加しグロースカーブを作成した。 その結果、数種類の物質を増殖促進因子の候補とすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、Scardoviaの増殖促進因子として数種類の物質を候補に挙げることができた。次年度はそれらの物質を添加した際のScardoviaの代謝活性の測定や代謝産物の同定を行い、どのようなメカニズムで増殖促進が起こっているかを確認する予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度(2024年度)に開催される学会の参加費の支払いを当該年度に行ったが、実際の使用年度は次年度とするべきだったため使用することが出来ず、当該助成金が生じてしまった。 当該助成金は、学会の参加費に充てる予定である。
|