2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K09513
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
渡邊 賢礼 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20611180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 教授 (20333619)
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 咀嚼機能 / 嚥下機能 / 筋電図 / 超音波エコー / 筋質 / 筋機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の到来に伴い,摂食嚥下機能が低下して特別食を必要とする要介護高齢患者が増加している.摂食嚥下障害患者にとって安全な食品とは現時点ではミキサー食やペースト食などの均一で固形でない食品であるといわれるが咀嚼が十分に可能であるか否かは全く考慮されていない. 本研究では運動記録から摂食行動の詳細を評価するという目的のために,ヒトを対象として顎舌運動を筋電図学的に計測するとともに,舌や咀嚼筋の筋質評価を超音波エコーを用いて記録・評価を行い,咀嚼嚥下運動に伴う筋活動様式に関わる運動様相ならびに食塊形成と移送,嚥下にいたるまでの機能評価を行う.最終的には,筋機能と筋質の両面から食品物性や食塊移送の関係を定量的に明らかとすることとした. 咀嚼は食物粉砕を主とする第1ステージ,食塊形成に関わる第2ステージ,食物移送にかかる第3ステージ,嚥下ステージがあり,それぞれのステージは重なり合いながら移行するが,食品の初期物性によって関連する活動様式には違いがあることを見出すための実験を行うこととし,初年度は記録システムの構築ならびに検査食品の決定,記録パラメータの決定を行うまでに至った. その結果得られた(1)ベースとなる筋質評価法,(2)各咀嚼相(開口相,閉口相,咀嚼相) 時間,(3)舌圧,(4)下顎前後運動のパターン,(5)左右咬筋ならびに舌骨上筋群の1咀嚼サイクル当たりの筋活動量というパラメータ値の変化からステージ決定のアルゴリズムが作成できるか否かの解析を行うまでにいたった.十分な量のデータ獲得にいたっていないが条件設定やパラメータの設定は完了しているため次年度前半までに若年者データ20名を獲得する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筋質評価のための超音波エコーは当講座に現有しているものを使用しているが,当初データ採取に使用予定であった機器の不具合により,機種変更を余儀なくされ,条件設定の見直しに時間を費やしたことにより実験開始が当初の予定よりも遅れた.また上記の理由により倫理委員会への実験計画変更申請を行ったためデータ採取不可能である時期が数ヶ月あった.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,実験方法の確立を受けて引き続き被験者データの採取を行う.得られたデータにより,被験食の違い(硬度,付着性,凝集性)がもたらす摂食嚥下動態の違いがどのパラメータに認められるかを確認後に,アルゴリズムによって導き出した各ステージの終了時間ごとに食塊を吐き出してもらいその物性値を計測して,食塊物性の変化についての追跡を行う.また,本アルゴリズムが全く物性の異なる被験食,さらに片側咀嚼にも適用できるかどうかについて検討する.また若年者のデータ採取終了後には高齢者データの採取を行う予定である.
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Causes of Carryover |
使用機器の変更のため当初の実験計画を一部変更したため倫理申請の変更に時間を要し,実験開始が遅れた,そのため被験者が目標数に達せず消耗品の使用も当初の計画よりも少なくなった.次年度は被験者を多く集めデータ採取を精力的に行う予定であるため消耗品の使用に予算を使用する予定である.
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