2023 Fiscal Year Research-status Report
チェアサイドで実施可能な擦過細胞および光線力学を用いた口腔がんの検査診断法の確立
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23K09515
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
福本 雅彦 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50175569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深津 晶 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (70339224)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | チェアーサイド / 口腔がん / 擦過細胞 / 光線力学診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト口腔癌由来扁平上皮癌細胞株を用いて細胞内に5-aminolevulinic acid(以下、5-ALA)を取り込み、プロトポルフィリンⅨ(PpⅨ)を蓄積させ励起波長405mにて励起光を照射し630nm波長帯にて蛍光が確認すると共に5-ALAの最適濃度を検討した結果、5-ALAの最適濃度は2mMであった。前回の申請(20K10256)の方法に従って、研究分担者によりセルカウンティングkitにてDFOの細胞毒性を確認している。。その後、ヒト口腔癌由来扁平上皮癌細胞株であるHSC-2、HSC-3、HSC4、Sa-3および対照群として使用するヒト正常口腔粘膜細胞株(NHOK)の回収した細胞に対して5-ALA 2mmmol濃度に1μM、10μM、100 μM、 500 μM、 1mM、 5mMの各濃度に調整したDFOを添加したDMEMを50ml遠心管中1~3時間、暗所5%CO2下37℃下で作用させ、各細胞株を蛍光用96wellプレートに1×103~6/wellとなるよう播種して蛍光プレートリーダーを用いて405nmの励起波長により蛍光する630nm波長帯の蛍光強度を経時的に測定した。 正常口腔粘膜を擦過した細胞に対して同様に5-ALAを細胞に取り込ませる研究を遂行した。その結果、口腔内で採取する部位によって擦過可能な細胞数が異なることから、得られる蛍光強度に差が生じてしまった。そのため、使用するサイトブラシを用いて口腔内から採取できる擦過細胞数について検討中である。 光線力学療法の新たな手法として、深紫外線領域(UVC, λ=222 nm)の生体安全性(特に眼、皮膚)が確認されたこともあり、UVCを口腔がんの早期発見あるいは治療法を現在検討中であり、ヒト正常口腔粘膜細胞株(NHOK)に対しての細胞毒性試験をはじめ、アポトーシス関連タンパクおよび発がん性の確認を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度までは順調に研究の遂行はできていた。現在、学内事情による新校舎への引っ越しに伴い、細胞培養系実験は一時中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔扁平上皮癌患者切除検体の病変部からサイトブラシによる擦過にて採取した細胞を同様の実験方法で得られた蛍光の最適条件に従い採取細胞内に5-ALAの取り込みを行う。その後、蛍光プレートリーダーにて励起波長405nm にて励起し630nm波長帯にて腫瘍細胞の蛍光を観察する。 また臨床応用時にチェアサイドでの計測が可能になるよう小型の蛍光リーダーの開発も行う。小型蛍光リーダーは既存の小型機器(ポータブル蛍光光度計FC-1,東海光学株式会社)のフィルターを本研究の使用する波長(励起フィルター405nm、蛍光フィルター632nm)に交換したものを作製し、この小型蛍光リーダーの測定結果と通常の蛍光プレートリーダーでの測定結果を比較検討し臨床的に使用することが可能かを判断する。 また、患者口腔からサイトブラシによる擦過にて採取した細胞を予備実験で得られた最適作用時間作用させ採取細胞内に5-ALAの取り込みを行う。 その後、蛍光マイクロプレートリーダーおよび開発予定の小型蛍光リーダーにて励起波長405nmにて励起し630nm波長帯にて腫瘍細胞の蛍光を観察する。 研究分担者により患者病変部より採取した細胞の状態を確認するため擦過した細胞を液状化細胞診により通常のパパニコロウ染色とP53 およびKi-67抗体にて免疫細胞化学染色を実施し光学顕微鏡にて検鏡しPDD結果と比較する予定である
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Causes of Carryover |
当該年度の残額5,250円に関しては、PC周囲機器が予想価格より安価であったため残金が生じたと考えている。次年度以降、この残金は細胞培養系の研究で使用されるピペットチップなどのOA消耗品として使用することを計画している。
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