2023 Fiscal Year Research-status Report
月経前不快気分障害の早期発見と治療に向けた研究:若年女性の一次相談窓口として
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23K09570
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
布施 泰子 茨城大学, 保健管理センター, 教授 (60647725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 美江 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 教授 (20506472)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 月経前不快気分障害 / 月経前症候群 / 女子大学生 / 保健管理施設 / 精神科 / 婦人科 / リソース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の計画を茨城大学生命倫理委員会に申請し、倫理審査・承認を受けた。 全国の大学の保健管理施設の医療職と心理職を対象とした、月経前症候群(以下PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)に関するアンケートを作成し、実施した。予定を上回る527の有効回答を得ることができた。アンケートでは、PMDDか、適応障害か、気分変調症か迷う架空の症例を提示して、参加者の意見を求めた。また、PMSやPMDDについての知識や相談を受けた経験、対応や治療に関する考え方、大学の近郊における治療のリソースについて質問した。 アンケートの集計と分析を開始した。うつ状態にある女子学生のケースについて、PMSやPMDDの可能性を考えて月経と症状の関連を尋ねるか否かが鍵となる。月経と症状の関連があることがわかれば、多くの医療職・心理職のスタッフは、PMSの可能性を考えた。一方、PMSに比べてPMDDは認知度が低いことがわかった。 学生のPMDDの有病率を調査するための準備を開始した。評価尺度については、当初計画では宮岡らがDSM-IVをもとに作成した評価尺度を参考に、DSM-5に対応した尺度を作成する予定であった。宮岡の助言を得て、国際的な発表のためには、その原点となったThe Premenstrual Symptoms Screening Tool (PSST, Steinerらが2003年に発表)の使用許可を取る必要があると判断した。しかし、PSSTはDSM-5用に改変する許可が取れないなど複数の難点があり、方針を変更してPremenstrual Symptoms Questionnaire (PSQ, 武田らが2006年に発表)を利用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、2023年度中に大学の保健管理施設の医療職と心理職を対象とした調査の解析を完了する予定であったが、データ量が多く、いまだ解析途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に、学生を対象としたアンケートを実施する。また、集計と解析を行う。2023年度に実施した保健管理施設のスタッフを対象としたアンケートの解析を行う。 結果をまとめて2024年度と2025年度に発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
PSSTの使用許可を得て、それを日本語に翻訳してweb上でアンケートを行う場合40万円以上の費用がかかることがわかったため、2024年度分の研究経費の前倒し請求を行った。しかし、検討の結果PSSTを使用しないことに決定したため、次年度使用分が発生した。2024年度に使用予定である。
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