2023 Fiscal Year Research-status Report
小児領域遺伝子解析研究推進に資する適正なdata sharingポリシー策定のための基盤調査
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23K09573
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
甲畑 宏子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 講師 (90762542)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ゲノムデータ共有 / インフォームド・コンセント / 小児 / 遺伝子解析研究 / 代諾 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児領域の希少疾患に関する研究ではゲノムデータ共有の実施が有効であるが、小児対象研究では代諾で研究に参加するため、同意取得年齢到達後の本人同意の取得など倫理的課題も生じる。そこで本研究では、本邦の本人同意取得の現状と意見を調査することを目的としてアンケート調査を実施した。研究初年度は、研究参加者が同意取得年齢に達した際の本人同意の取得実態及び研究者側の意見を明らかにすべく、国内バイオバンクおよび小児を対象とした遺伝子解析の研究者に対して調査を実施した。国内21バイオバンクおよび87名の研究者より回答を得た。また、計6名の有識者(遺伝子解析研究者2名、バイオバンク関係者2名、医療者(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー各1名)2名)を対象にインタビュー調査を行った。調査の結果、大多数の回答者は本人同意取得の必要性・重要性を認識しているものの、実際に本人同意を取得しているバイオバンク、研究者は少ないことが明らかとなり、諸外国同様、本人同意取得実施の困難さが示唆された。また、研究者らはゲノムデータ共有の利益とリスクの双方を認識しており、研究による利益を最大化しつつリスクを最小化する工夫が必要であると考えられた。有識者に対するインタビュー調査では、ゲノムデータ共有、本人同意取得の必要性/取得方法について様々な意見が得られた。ゲノムデータ共有を促進しつつ、リスクを最小化するための体制整備が重要である。これらの調査結果については学会報告を行い、現在、論文投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究者等に対する調査を実施し学会発表を行い、1報の論文投稿中、1報の論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は一般市民の意見を調査する。研究倫理および遺伝子解析研究に馴染のない一般市民が、本調査の主旨及び目的について理解してもらえる説明文書を用意する必要があり、市民参画(PPI)により一般市民の意見を聞きながら説明文書を作成する予定である。また、当事者である研究対象者および代諾者となる親権者を対象とした調査も予定している。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに遂行できており、差額は誤差の範囲である。次年度はPPI活動を実施予定であるため、参画頂く市民への謝金等に使用する予定である。
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