2023 Fiscal Year Research-status Report
Multicenter study of obesity stigma -Influence of discriminatory feelings against obesity on medical care-
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23K09585
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
林 果林 東邦大学, 医学部, 准教授 (50385845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 剛弘 中村学園大学, 栄養科学研究科, 特命任用教員(教授) (60301339)
小山 憲一郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (80620880)
山崎 允宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90963463)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | オベシティスティグマ / 肥満症 / 受療行動 / WSSQ / 多施設研究 / 逆境的小児期体験 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症は遺伝的,生理的,行動的・心理社会的,ならびに環境的要因等がその発症と経過に関与している多因子疾患であるにもかかわらず、食事や運動によって自己コントロールできるはずで、肥満は怠惰の結果であるとの誤った認識から、オベシティスティグマが存在し、肥満症患者の心理状態を悪化させ治療を困難にしていることが指摘されている。今年度は研究計画を共同研究者と数回話し合いながら練り直した。その結果、多施設研究でありより多くの症例を集め、肥満の核心的問題を明らかにするために、質問紙を4つ(WSSQ(オベシティスティグマ)、GHQ9(うつ)、ACEスコア(逆境的小児期体験)受療行動に関するエフィカシー尺度)に絞り6施設の研究に同意を得た肥満症患者及びウェブでアンケート回答に同意を得た一般の健常者間で比較検討を行うこととした。またこの研究に関して、東邦大学医学部倫理委員会に共同研究期間とともに一括申請を行った。WSSQに関しては日本語版作成を検討したが、すでに2023年5月に中村氏により日本語版が作成され論文発表されていたため本人に確認しこちらを採用することとした(Yuko Nakamura: Developing and validating a Japanese version of the Weight Self Stigma Questionnaire.Eat Weight Disord. 2023 May 17;28(1):44.) またこの研究課題について第44回日本肥満学会・第41回日本肥満症治療学会の日本医学会連合TEAM事業・日本肥満学会・日本肥満症治療学会 合同企画シンポジウムにて「領域横断的な肥満症対策の推進に向けたワーキンググループ活動の現状と今後・オベシティスティグマの実態と問題点」として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究について倫理委員会の承認を得るのに相当の時間を要した。一方でWSSQ質問紙については当初日本語版作成のための第一段階の研究も施行予定であったが、同時期に中村氏による論文が発表されたことから日本語版がすでに作成されており採用することができたためおおむね順調に推移していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究についての倫理委員会は2024年4月22日に承認されたため、今後は各施設に対象者を募っていただきデータを蓄積する。また、ウェブ会社との最終打ち合わせの後契約し、ウェブ上にて健常者の研究対象者を募りデータを蓄積する。ウェブにおける健常者データは比較的迅速に回収できるため、まずは健常者におけるオベシティスティグマの実態とうつ、小児期逆行体験、受療行動、等について検討し発表していく。
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Causes of Carryover |
初年度は研究協力者の研究理解を深めるための講習会参加費や研究計画の練り直しと倫理委員会多施設一括申請を行っていたため、研究費の使用は最小限となった。次年度は健常者のウェブアンケートのためのウェブ会社との契約費用、肥満症患者対象の研究施行及びデータ整理収集において必要なPC、統計ソフト、その他事務用品などに研究費が必要となるため。
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