2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of efficiency frontier-based price adjustment methods for health technologies
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23K09610
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森脇 健介 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (10514862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
後藤 励 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (10411836)
阿久根 陽子 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 特任講師 (80571819)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 医療技術評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)に対する一次治療としてのトレメリムマブ+デュルバルマブ+化学療法(T+D+CT)は、全生存期間と無増悪生存期間において、D+CTは無増悪生存期間のみにおいてCT単独療法よりも優れることが示されている。一方で、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は高額であり、これらの費用対効果は必ずしも明らかではない。本研究は、mNSCLC患者に対するICI併用療法の費用対効果を、日本の公的医療費支払者の立場から評価することを目的とした。各治療群の費用と質調整生存年(QALY)、そして相対的な費用対効果を推計するために分割生存分析(PartSA)モデルを用いたシミュレーションを行った。生存期間のデータはPOSEIDON試験より取得した。各種医療費は公定薬価および健保組合データベースを用いた統計解析により推定した。効用値は海外で公表されている情報源から設定した。モデルによる外挿結果をもとにCTと比較したT+D+CTおよびD+CTの増分費用効果比(ICER=増分費用÷増分QALY)を推計した。なお、パラメータ設定の不確実性の影響を評価するために各種の感度分析を行った。基本分析の結果、CTに対するT+D+CT、D+CTのICERはそれぞれ79,548,053円/QALY(=39,834,984円÷0.501)、76,516,737円/QALY(=22,670,176円÷0.296)と推計された。感度分析の結果、無増悪状態の効用値が ICER に強く影響することが示された。CTに対するT+D+CTおよびD+CTのICERは日本の癌治療の許容ラインを超過したため、mNSCLCに対するICI併用治療は費用対効果の面で課題があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転移性非小細胞性肺癌に対する薬物治療の評価の基本事例として、トレメリムマブ+デュルバルマブ+化学療法(T+D+CT)、デュルバルマブ+化学療法(D+CT)、化学療法(CT)の相対的な費用効果分析を実施した。当初の予定通り、分割生存分析(PartSA)モデルを構築し、効率性フロンティア曲線を特定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
我々がこれまでに実施した転移性非小細胞性肺癌に対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法の費用効果分析と、本事業で実施したトレメリムマブ+デュルバルマブ+化学療法の費用効果分析の事例を組み合わせ、その他の薬物治療を含めた間接比較の実施可能性を検討し、効率フロンティア曲線(EFC)の更新を試みる。また、EFCに基づく価格調整法の開発と医療経済的便益の評価を検討する。
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Causes of Carryover |
対面会議の調整が困難であったため、想定より旅費の使用が少なくなったため。
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