2023 Fiscal Year Research-status Report
Estimated costs of hip fractures among older adults in Japan
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23K09613
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
劉 寧 産業医科大学, 医学部, 助教 (90832238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松垣 竜太郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (40878344)
藤本 賢治 産業医科大学, 産業保健データサイエンスセンター, 助教 (30800734)
村松 圭司 産業医科大学, 医学部, 准教授 (00644022)
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高齢者 / 股関節骨折 / 死亡確率 / 医療費 / 介護費 / 経済的負担 / 費用推定 / レセプトデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
人口高齢化に伴い、高齢者に多発する股関節骨折に対する治療は日本を含む多くの先進国の医療システムに大きな負荷がかかっている。しかしながら、日本の股関節骨折に関連する経済的負担の研究には、骨折後一年以内の医療費を推計するものが多いため、前述のように続発疾患が費用に与える影響や長期間にわたる費用の変動パターンを観察することができない。さらに、死亡に近づけるほど費用が増加すると一般的に認識されているにもかかわらず、生存確率を使ってコストを推計する手法は現在出版された日本の股関節骨折の費用研究には見当たらない。 本研究では、西日本A自治体の医科レセプトと介護レセプトデータを用いて、新規に股関節骨折を起こす、75歳以上の高齢者を対象として、骨折入院から最小1年間、最大5年間の医療費、介護費及び合計費用を推計することを目的とした。打ち切りデータを調整した上で、死亡確率を推計モデルに入れることは今までの先行研究と比べて一番大きな違いであり、より正確にコストを推定することができる。さらに、縦断的観察デザインのため、本研究では股関節骨折発生後の合計費用と有意に関連する要因を明らかにすることにより、医療・介護の提供体制の構築に有用なエビデンスを提供することができる。高齢者の股関節骨折は急性期の治療だけでは完結するのではなく、その後長期間にわたる慢性療養も伴われるため、入院直後を含め長期間の資源利用状況を明らかにしなければ、適切な医療と介護サービスの提供プランはできないと考える。そこで、本研究をもって、長期間に発生する介護費を含む合計コストを把握することは股関節骨折の経済的負担の推定に貢献できる。 現在、医科レセプトデータと介護レセプトデータの連結作業を開始し、対象者患者集団の特定ができている。今後、必要な変数情報を集めた上で、分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、データ抽出の段階に当り、順調に対象者患者の情報をレセプトデータから抽出している。
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Strategy for Future Research Activity |
費用推計の後、時系列マルチレベル回帰分析の手法を使って、骨折発生後の合計費用に有意に影響を与える要因を推定する。さらに、標本の推計結果に基づき、日本全国の股関節骨折の医療費、介護費及び合計費用を推定する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度には、研究の精度を高めるために、引き続き関連学会の参加、発表を予定する。また、専門家との打ち合わせ、勉強会の実施等で、旅費等の費用が発生する見込み。
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