2023 Fiscal Year Research-status Report
急死した患者の家族ケアに関する実態調査および救急臨場モデルの効果検証
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23K09623
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田邉 優子 広島大学, 病院(医), 助教 (60793445)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 救急外来 / 心肺停止 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
救急外来において急死した患者の家族ケアに関する意識および実態について、SurveyMonkeyを用いた無記名自記式のオンラインによる全国アンケート調査を実施した(実施期間:2022年10月12日~2022年12月31日)。本調査は日本集中治療医学会Clinical Trial Group(管理番号:0047)および慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科の倫理委員会(承認番号:2022-12)により実施承認された。日本集中治療医学会会員の医師7859名を対象とし、回答者の臨床経験年数や所属の診療科などの属性を尋ねた。次いで救急外来での蘇生処置への家族立ち会い(Family presence during resuscitation:FPDR)について、意識や実態、それらの関連要因(FPDRによる家族の死の受容・心的外傷)を尋ねた。その際、心肺停止の原因に着目し、症例を外傷症例(例えば交通事故や、墜落外傷など)と非外傷症例(例えば急性心筋梗塞のような内因性疾患)に区分して質問した。さらに、FPDRによる家族の死の受容についての考え方および、家族が受ける心的外傷についての考え方を尋ねた。得られた結果は 第50回および第51回日本集中治療医学会総会、ISQua's 39th International Conferenceにて発表し、現在論文投稿準備中である。また同内容のアンケートを一般市民にも実施し回答を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療者及び一般市民へのアンケート調査が終了した。 今後は両者の群間比較解析を実施し、救急外来での臨場モデルの作成を行う段階であり、概ね研究計画通りに進んでいると言える 、
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Strategy for Future Research Activity |
医療従事者と一般市民へのアンケート解析により現医療現場で不足している家族ニーズを同定し、その項目をクリアあるいは改善させた行動のプロトコール、チェックリストを作成し、どの医師が対応しても一定のケアを得られるような救急臨場モデルを構築する。 またプロトコール導入前の遺族調査も実施する。
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Causes of Carryover |
日本集中治療医学会会員に対するWEBアンケート調査が日本集中治療医学会Clinical Trial Group(管理番号:0047)により実施承認されたため、調査対象の日本集中治療医学会会員の医師7859名に対してのアンケートに費用がかからなかった。得られた助成金は当初の目的である遺族調査や学会発表、論文投稿のための費用に当てることに加え、より精度の高い解析を実施するための助言謝金などへの使用を考慮する。
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