2023 Fiscal Year Research-status Report
個人の共感特性を踏まえた医療者に対する共感性教育の効果検証
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23K09639
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (70725217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 裕之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 准教授 (00610677)
野口 宣人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (20805105)
正司 孝太郎 人間環境大学, 看護学部, 講師 (90867128)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 共感性 / 医療従事者 / 共感疲労 / バーンアウト / 共感満足 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、現状の共感性教育ついて研究メンバー(長峯・戸田・正司・野口)でビデオ会議を繰り返し実施した。問題点として、共感性を高めることに偏重しており、共感疲労といった負の側面に対する注意喚起と対策が不足している点で意見が一致した。こうした問題点に対処するための介入について先行研究をレビューをした結果、心理学者のKristine Neff及びPaul Gilbertらが2000年初頭に提唱した「セルフ・コンパッション」の概念が有効であると考え、これを育むことを目的に開発されたマインドフル・セルフ・コンパッション(Mindful Self-Compassion; MSC)をベースとした教育的介入に注目し、教育の大枠を策定した。特に、共感疲労のリスク因子として同定されている共感性の下位項目「個人的苦痛」の高い個人に対しては、MSCに基づく教育が有効であると考えている。 研究デザインとして、臨床現場に入ってまもない卒後1年目もしくは2年目の看護師を対象として想定している。これらの対象者を前期介入群と後期介入群の2群に無作為に割り付け、前期介入群に対してはMSCをベースとした新規教育を最初に行い、後で従来教育(共感性を高めることにフォーカスしたもの)を実施する。後期介入群に対しては順序を逆にして教育を実施する予定である。卒後教育の枠組みでこれらの教育を実施させてもらえるよう、当院の看護部と調整中であるが、現在のところスケジュールを決定するには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来であれば、2年目の早い時期に教育的介入を開始する予定であったが、対象となる防衛医大病院の看護部との調整が難航しており、スケジュールを決定するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
出来るだけ早い時期に教育的介入を実施したいと考えており、調整がつき次第実施する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を予定していたハードウェア・ソフトウェアについては本年度の購入を見送った。また、予定していた研究ミーティングについても、主にビデオ会議を活用して実施したため、これらについては次年度に使用することを計画している。
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