2023 Fiscal Year Research-status Report
Global warming and increase of skin cancer: relationship between heat-induced liquid-liquid phase separation and repair inhibition of UV-generated DNA damage
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23K09650
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
伊吹 裕子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (30236781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小牧 裕佳子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40811617)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 熱 / 液ー液相分離 / 紫外線 / DNA損傷 / ヌクレオチド除去修復 / 核小体 / 温暖化 / 皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで皮膚がん発生への熱の寄与については、ほとんど研究が行われていない。我々は、皮膚がんの主原因とされ、紫外線により生成するDNA損傷であるピリミジンダイマーの修復が熱により遅延すること、さらにはその修復分子が細胞内で集合体を形成(相分離)していることを見出している。本研究では、熱によるDNA修復分子の相分離が、紫外線誘導ピリミジンダイマーの修復に影響するのかどうかを検討するとともに、DNA修復分子の相分離機構を解明することを目的とする。 令和5年度は、申請者がこれまでに明らかにしたXPCの相分離以外に、紫外線誘導ピリミジンダイマーの修復機構(ヌクレオチド除去修復機構)において異なる段階で働く分子が熱により相分離するかどうかを、蛍光免疫染色法により解析した。今回の解析では、損傷の認識を担うXPC、巻き戻しに関与するXPA、TFIIH(XPB)、切り出しを行うXPFとXPG、埋め合わせを行うPCNAについて、熱曝露後に免疫染色を行った。XPC、XPA、TFIIH、PCNAは熱曝露後に核内の一部分にそれぞれの分子が分離し集積しているのが認められた。また、その位置が核小体の染色とマージしたことから、これらの分子は熱曝露後、核内の相分離器官である核小体に移行していることが示唆された。一方、XPG、XPFについては、相分離や核小体への移行は認められなかった。よって、すべての分子が熱ストレスにより核小体へ移行するわけではないことが明らかになった。核小体への移行について確認するため、スクロースの濃度を変えた遠心法により核小体を分離し、ウエスタンブロット法を行った。熱曝露後に核小体の分画においてXPC, XPA, TFIIHが検出され、熱によりヌクレオチド除去修復機構関連分子が核小体へ移行することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請書に記載した第1段階の検討として、XPC以外のヌクレオチド除去修復分子の熱曝露後の挙動解析を行うことを予定していた。令和5年度の研究により、XPA、TFIIH(XPB)、XPF、XPG、PCNAについて、免疫染色法によりその挙動を検討することができた。XPC、XPA、TFIIH、PCNAは熱曝露後に核内の一部分にそれぞれの分子が分離し集積しているのが認められ、さらに、それが核小体へ移行であることも明らかにすることができた。また、免疫染色法のデータについて、核小体の分画法によっても証明することができた。よって、研究は順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
熱曝露によるDNA修復分子の核小体への移行が証明されたので、次は予定通り、核小体への移行のメカニズムについて検討を行う。核小体は核内の相分離器官であるので、相分離を阻害する試薬などを使用し、どうして熱曝露後にヌクレオチド除去修復機構を担う分子が核小体に集積する必要があるのかを検討する。
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Causes of Carryover |
研究が順調に進み、本来想定した数の抗体を購入する必要がなくなった。次年度使用できる額が増えたので、核小体へ移行したXPC分子と相互作用する分子の解析のために免疫沈降キットなどを多く購入することができる。また、最終的にin vivoの解析を予定しているが、マウスを使用した検討とともに3次元皮膚モデルを使用するなど方法を広げる予定である。
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