2023 Fiscal Year Research-status Report
職業性膀胱がんの予防に資する短期尿路上皮発がんスクリーニングシステムの開発
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23K09652
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
魏 民 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70336783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 正之 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30381990)
山野 荘太郎 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部), その他部局等, 室長補佐 (80614528)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 芳香族アミン / 膀胱発がん性 / 短期予測モデル / oncomodulin |
Outline of Annual Research Achievements |
芳香族アミン類の膀胱発がん性を予測るすために、Oncomodulin(OCM)を指標とした短期ラット膀胱発がんモデルの有用性について検討した。本年度に得られた主要な成果は以下の通りです。7種類の芳香族アミン(o-toluidine(OT)、p-toluidine(PT)、acetoaceto-o-toluidide(AAOT)、2-amino-m-cresol(2-AMC)、4-amino-m-cresol(4-AMC)、o-acetotoluide(OAT)、及び4,4-methylenebis(2-chloroaniline)(MOCA))をラットに4週間投与し、膀胱粘膜におけるOCMの発現を定量的PCRで評価した。その結果、OTおよびAAOT投与群ではOCMの発現量が有意に増加し、これらの群で膀胱粘膜の細胞増殖能の有意な増加が認められたが、他の芳香族アミン類投与群では有意な増加はみられなかった。これにより、OCMがラットにおける芳香族アミン類の膀胱発がん性を予測するのに有用である可能性を強く示唆された。また、2次元培養でのOTおよびAAOTのヒト膀胱粘膜への毒性を検討し、来年度には不死化した尿路上皮細胞とヒト膀胱線維芽細胞を組み合わせた3次元膀胱粘膜モデルを用いた芳香族アミンの膀胱発がん性のさらなる検討の準備ができた。さらに、OCMホモ欠損ラットの繁殖が順調に進んでおり、来年度の芳香族アミンに関する膀胱発がん性試験の準備が整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは、芳香族アミン類の膀胱発がん性を予測するため、OCMを指標とした短期ラット膀胱発がんモデルの有用性の検討を計画通りに進め、このモデルが芳香族アミンの発がん性を正確に予測できることが確認された。次に、来年度にはOCMホモ欠損ラットを使用して、芳香族アミン類の膀胱発がん性及びOCMの機能を個体レベルで解析する準備が整った。さらに、不死化ヒト肝細胞(HepaMN)を使用し、ヒト肝臓における芳香族アミン類の代謝動態を考慮した上で、3次元膀胱粘膜モデルと組み合わせた評価の準備も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.様々な芳香族アミン類を用いて、Oncomodulin(OCM)を指標とした短期ラット膀胱発がんモデルの有用性について引き続き検討する。 2.OCMホモ欠損ラットを使用して、芳香族アミン類の膀胱発がん性に対する感受性を評価し、OCMの機能を個体レベルで解析する。 3.不死化ヒト肝細胞(HepaMN)を用い、ヒト肝臓における芳香族アミン類の代謝動態を考慮しながら、3次元膀胱粘膜モデルと組み合わせて膀胱発がん性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
先行研究で購入したOncomodulin(OCM)の発現解析試薬を活用した。また、校費を使用して動物実験の一部費用を充当した。次年度の計画としては、予定されているラット膀胱発がん試験およびマイクロアレイ解析を用いたOCMの機能解析などに使用し、計画通りの研究を遂行する予定です。
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Research Products
(2 results)