2023 Fiscal Year Research-status Report
マイクロプラスチック曝露による複合的な有害作用の要因別評価
Project/Area Number |
23K09656
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
苣田 慎一 杏林大学, 医学部, 講師 (90639791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正雄 杏林大学, 医学部, 准教授 (10296543)
苅田 香苗 杏林大学, 医学部, 教授 (40224711)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 添加剤 / 酸化ストレス / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つは、マイクロプラスチック(粒径<5mm。以下MPとする。)の経口摂取が生体内で酸化ストレスを引き起こす可能性を考慮し、MPの経口曝露により生じる生体影響を、MPを構成するポリエチレンやポリスチレンなどの合成高分子による作用、MPに含まれる可塑剤や難燃剤などの添加剤による作用、そしてMPの付着などによる物理的作用に識別して評価することである。MPが経口摂取されたのちにどの作用を介して生体影響を生じさせるのかを明らかにした研究はまだない。本研究では、研究代表者らの先行研究(基盤研究C 課題番号19K10606)を基盤にして、メダカをモデル生物として使用し、MPの複合的な有害作用をMPの構成因子別に評価する。 2023年(令和5年)度は、添加剤を含むMP、添加剤を含まないMP、プラスチックではないが消化吸収されないセルロースビーズを曝露し、生体の酸化ストレス指標を定量した。その結果、セルロースビーズによる酸化ストレス指標の増加は認められず、一方で、添加剤を含まないMPと添加剤を含むMPの曝露で酸化ストレス指標は増加し、また、添加剤を含まないMPより添加剤を含むMPの方が酸化ストレス指標が高く増加することが認められた。つまり、MPに含まれる可塑剤や難燃剤などの添加剤は、MPの経口曝露により生じる生体影響を増長することが示された。今後は、疾患になりやすい遺伝的背景を持つ集団へのMP曝露の影響を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、MPに含まれる可塑剤や難燃剤などの添加剤は、MPの経口曝露により生じる生体影響を増長することが示された。現在、遺伝的にゲノムが不安定になりやすい背景を持つメダカ変異体と糖尿病になりやすいメダカ変異体の個体数の確保を進めている。個体数の準備ができ次第、疾患になりやすい遺伝的背景を持つ集団へのMP曝露の影響を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に関わる実験は、長期間(12週間~30週間)の飼育を必要とする。従って、研究を推進するために、より効率的に試験を行うためのスケジュール管理を徹底する。
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Causes of Carryover |
2023年(令和5年)度は、おおむね順調に研究をすすめ、研究費を使用した。学会出張が年度末であったため、クレジットカード決済の都合上、2023年度出張費の支払いが次年度に繰り越された。その他の次年度に繰り越された使用額は、疾患になりやすい遺伝的背景を持つ集団の維持費に使用する予定である。
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