2023 Fiscal Year Research-status Report
Significance of mineralocorticoid receptor activation in obesity-related kidney disease: Exploring urine biomarkers to reflect MR activation
Project/Area Number |
23K09671
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
柴田 洋孝 大分大学, 医学部, 教授 (20245484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 顕弘 大分大学, 医学部, 助教 (30628889)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | MR活性化 / 尿中バイオマーカー / 肥満関連腎症 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室では、糖尿病や肥満症など生活習慣病に合併した高血圧や慢性腎臓病(CKD)症例では血中アルドステロン濃度の上昇を伴わずにMRシグナルが亢進する病態として「MR関連高血圧および臓器障害」が存在することを提唱している。しかしながら臨床的にMR活性化を反映するバイオマーカーがないためにMR拮抗薬による治療介入が非常に少ない現状がある。本研究では、MR活性化による肥満関連腎症進展機序の解明とMR活性化を反映した非侵襲的な新規尿中バイオマーカーを探索することを目的としている。 初年度である本年は、肥満糖尿病ラットモデルを用いて腎症進展に伴うMR活性化について検証した。5週齢の雄性肥満糖尿病ラット(Zucker-diabetic fatty(Leprfa/Leprfa):ZDFラット)を購入し、16週齢においてコントロールラット(雄性Zucker-lean(Leprfa /+ or +/+):ZDF-leanラット)との比較を行った。まずは、16週齢における腎症進展について検証するために糸球体肥大およびポドサイト障害について検討した(n=3)。ZDFラット群ではZDF-leanラット群と比較して糸球体およびポドサイトの肥大、ポドサイト密度(podocyte density)の低下を認め、16週齢の時点で糸球体肥大およびポドサイト障害が認められた。また、同週齢ではZDFラットではZDF-leanラットと比較して有意にアルブミン尿増加および、尿沈渣中ポドサイトmRNA排泄量増加を認め、腎症進展を認めた。次に同週齢での腎臓組織におけるMR活性化の評価を行った。腎組織においてWestern blottingによるMR、SGK1、ENaCなどのMR関連蛋白の上昇およびmRNAシグナルの上昇傾向を認めた。 以上の結果より、比較的早期の肥満糖尿病性腎症ラットモデルにおいて腎症進展に伴いMR活性化が認められることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、肥満糖尿病性腎症ラットモデルにおいて腎症進展に伴いMR活性化が認められることを示したが、やや計画より遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により早期の肥満糖尿病性腎症モデルにおいて腎症進展に伴いMR活性化が認められることを明らかにした。今後、MR拮抗薬投与群による治療群での検証やMR活性化を反映する尿中バイオマーカーの探索について進めていく。
|
Causes of Carryover |
全体の研究計画の進捗が遅れ、当初の予定を変更する必要が生じ、年度内での使用が困難になったため。 次年度には本年行う予定であった肥満糖尿病性腎症モデルへのMR拮抗薬投与の検討を行う計画としており、繰越金を使用予定である。さらに次年度は当初予定しているMR活性化を反映する尿中バイオマーカーの探索を行い、同バイオマーカーの臨床応用に向けて準備を進める。
|