2023 Fiscal Year Research-status Report
芽胞形成・毒素産生環境の制御に焦点をあてたウェルシュ菌食中毒予防に関する基礎研究
Project/Area Number |
23K09674
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
安木 真世 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (40589008)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | ウェルシュ菌 / 食中毒 / 芽胞形成 / 胆汁酸 / Spo0A |
Outline of Annual Research Achievements |
胆汁酸によるウェルシュ菌の芽胞形成・毒素産生メカニズムを明らかにするために、芽胞形成マスターレギュレーターSpo0Aのリン酸化に関与する細菌因子の同定と同定遺伝子による芽胞形成促進機序の解明を目的としている。本年度の成果は以下の通りである。 Spo0Aと相互作用し、欠損株を用いた実験で芽胞形成への関与が確定した遺伝子Aの関与メカニズムの解明を試みた。欠損株における芽胞形成関連遺伝子群の発現ならびにリン酸化Spo0A量を野生株のそれらと比較した結果、遺伝子Aは芽胞形成の初期段階、特にspo0Aや芽胞形成関連シグマ因子sigFの発現を正に制御する新規転写調節因子の可能性が示された。 胆汁酸依存性芽胞形成への関与が示唆される候補遺伝子は多数あるため、絞り込みを行う必要があると考え、胆汁酸結合磁性ビーズを用いて胆汁酸と結合するウェルシュ菌タンパク質の同定を行う実験を追加した。磁性ビーズへの胆汁酸の結合条件やウェルシュ菌の溶菌条件などの条件検討後、アフィニティ精製を行った。その結果、胆汁酸特異的に結合するウェルシュ菌タンパク質の存在が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時に作成したスケジュールに対して、1同定遺伝子の関与メカニズムの解明は概ねスケジュールどおりに研究を遂行した。一方、38候補遺伝子に関してはその絞り込みを目的として関連実験(磁性ビーズを用いたアフィニティー精製)を追加したことにより変異株作製には至らず、遅延が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画とスケジュールに則り、1同定遺伝子の関与メカニズムの解明を進める。また磁性ビーズによるアフィニティー精製による胆汁酸結合因子の同定を進め、候補遺伝子の絞り込みを行い変異株作製へと実験を進める。
|
Causes of Carryover |
候補遺伝子の絞り込みのために実験を追加したが、それに伴い当初予定していた実験に遅延が生じた。その結果次年度使用額が生じた。本額は当初遂行予定であった研究計画の研究費(消耗品など)として使用予定である。
|