2023 Fiscal Year Research-status Report
マラリアと鑑別が必要な蚊媒介感染症の発生率評価とサーベイランスシステムの開発
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23K09707
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
駒田 謙一 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 派遣協力第二課医師 (00606973)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | チクングニア熱 / デング熱 / ジカ熱 / 血清疫学調査 / サーベイランス |
Outline of Annual Research Achievements |
調査対象とする感染症について文献等をもとにあらためて検討したところ、WHOアフリカ地域事務局が推奨するIDSR(Integrated Disease Surveillance and Response)において対象疾患に含まれており、またザンビアで実施された別の調査における抗体保有率の結果から一定の流行があると疑われた、チクングニア熱、ジカ熱、デング熱を対象とすることとした。調査対象疾患の診断に使用する簡易迅速診断検査キット(RDT)について、市販されているものについて情報収集を行った。3つの感染症全てについて市販されているRDTが存在し、中にはIgM(現在の感染)とIgG(既感染)の両方を同時に検査出来るものもあることを確認した。今後のはキットの性能や価格、入手可能性をもとに、調査で使用するRDTを決定する。 ザンビアでは、チョングエ郡とムンブワ郡での実施を予定しているが、2023年11月以降ザンビアではコレラが流行しており、両郡保健局関係者との協議は、十分にできる状況ではなかった。調査対象とする3つの感染症、大まかな実施地域、だいたいの調査実施時期(蚊の発生が多い雨季)について合意したものの、具体的かつ詳細な調査計画は、現地でのコレラ流行が落ち着いてから再開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を予定していた地域でコレラの流行が発生したため、予定地域を所管する郡保健局関係者との協議を十分に行うことができず、具体的な場所や実際の調査方法とその流れなど、詳細について決定・合意することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コレラの流行が落ち着き次第、ザンビア保健省の郡保健局関係者との協議を再開し、具体的な調査計画について、決定・合意する。その内容に基づき、日本・サンビアの両国で倫理審査を申請する。
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Causes of Carryover |
調査予定地域でコレラの流行があり、調査の実施時期を遅らせる必要があった。そのため、予定していた検査キットの調達を次年度以降に延期せざるを得なくなった。なお、ザンビアにおけるコレラ対応を支援・調査するために、別のスキームで現地に赴く機会があったため、必要な現地関係者との最低限の協議をその際に行うことで、本年度は本研究費を使用して現地に渡航する必要がなかった。
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