2023 Fiscal Year Research-status Report
Multi-country study on the epidemiological impact of COVID-19 related behavioural measures on tuberculosis
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23K09709
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
河津 里沙 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (10747570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉江 歩 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 入国前結核スクリーニング精度管理センター, 研究員 (00970469) [Withdrawn]
杉浦 江 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 入国前結核スクリーニング精度管理センター, 研究員 (50981479)
内村 和広 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部 疫学情報室, 副部長 (30247283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 結核 / サーベイランス / COVID-19 / 治療成績 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCOVID-19禍において日本を含め各国で実施された様々な行動制限措置がいかに人々の医療行動に影響を与えたか、そして人々の医療行動の変化がいかに結核の届出数と治療成績に影響を与えたかを検証することを目的としている。具体的には; 1.対象国で、国の結核サーベイランスのデータを用いて、COVID-19拡大前と拡大後で、届出率と治療成績の変化を精査する。 2.対象国で、標本調査を実施することで、COVID-19拡大前と拡大後においてTB Care Cascadeにおける過程のうち、「症状発現」から「結核治療完了」までの過程に着目し、COVID‐19を原因とする「遅れ」と「脱落」への影響を明らかにする。 3.対象国で、結核患者を対象としたインタビュー調査を行ない、行動制限措置が医療行動おいて1)物理的に、2)精神的に、3)経済的にどのような影響を与えたかを明らかにする。
2023年度は1.について進めた。その結果、1)2020年以降の全体の届出数は予測値を下回ったものの、その変化は年齢階層と出生国ごとで異なっていた。日本生まれ患者では実際の届出数が予測値を下回ったのは35-54歳と65歳以上のみで、25-34歳では実際の届出数が上回っており、外国生まれ患者では0-24歳で実際の届出数が予測値を大幅に下回っていたことが明らかとなった。発見方法別の分析より、健診機会の増減が影響を及ぼしている可能性が示唆された。またsecondary analysisとして肺外結核のみ抽出して届出数の推移を分析した結果、外国生まれ患者の肺外結核の割合が2020年以降顕著の増加していた。2)2020年以降登録者、特に高齢者、において死亡の割合が増え、またCOVID-19流行の時期が死亡のリスク要因であることが示唆された。結果は学会にて発表し、英文論文化し、投稿準備中である(WPSAR, IJTLD)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に述べた目的1について、学会発表(1回)、論文執筆・投稿中(3本)であることから概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はいくつかの保健所の協力を得て、患者登録者情報よりcare cascade分析に必要な情報収集を実施する。また結核患者へのインタビュー調査については、国内外の共同研究者とのディスカッションより、COVID禍の費用負担増加の課題も指摘されたことから、費用負担に関する調査項目の追加も検討する。
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Causes of Carryover |
論文投稿が2024年度にずれ込んだため。
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