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2023 Fiscal Year Research-status Report

脂質の質と性差に着目した脂質指標と心血管病・認知症との関連:久山町研究

Research Project

Project/Area Number 23K09717
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

坂田 智子  九州大学, 医学研究院, 助教 (50815016)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 二宮 利治  九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
大石 絵美  九州大学, 医学研究院, 助教 (10850000)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywords脂質異常症 / 心血管病 / 認知症 / 疫学
Outline of Annual Research Achievements

わが国では、高齢人口の急速な増加に伴い介護を要する患者数が飛躍的に増加し、医学的・社会的な問題となっている。そのため、要介護状態にならずに自立して生活を行うことができる「健康寿命」を延伸させることが重要である。要介護状態の原因となる代表的な疾病として脳卒中、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患や認知症が挙げられ、脂質異常症は動脈硬化性疾患の主たる危険因子である。この脂質異常症の動脈硬化性疾患へ与える影響には性差があると考えられているが、各脂質指標(血清総コレステロールや血清LDLコレステロール、血清アポリポ蛋白B、血清sdLDLコレステロール)の組成に性差があるか、またそれが疾病発症に与える影響について検討した報告は少ない。
そこで本研究では、福岡県久山町の地域住民を対象とした疫学研究の成績を用いて、各脂質指標の組成の男女差について明らかにし、それが心血管病、認知症へ与える影響について縦断的に検討する。
2023年度は、2009年度に久山町生活習慣病健診を受診した40歳以上の住民のうち、空腹時採血を実施した3268人を対象に、性別、年齢階級別にみた脂質指標(血清総コレステロール、血清LDLコレステロール、血清sdLDLコレステロール、血清アポリポ蛋白B濃度)を検証した。
次年度は脂質指標と危険因子の関係の検討、追跡調査のデータ整備を行い、脂質指標と動脈硬化性疾患、認知症発症との関係を縦断的に解析する準備を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、2009年度に健診を受診した40歳以上の住民のうち、空腹時採血者3268人を対象に、性別、年齢階級別に脂質指標を検証した。
結果、総コレステロール、LDLコレステロール、アポリポ蛋白Bは、40歳代では女性の方が男性に比しその平均値が低かったが、50歳代以降関係は逆転した。一方sdLDLコレステロールは、60歳代まで一貫して女性の方がその平均値は低く、60歳代以降は同等であった。(総コレステロール:男性40歳代 205.6 mg/dl, 50歳代 205.9 mg/dl, 60歳代202.6 mg/dl, 70歳代 192 mg/dl, 80歳代 188.4 mg/dl; 女性 199.1 mg/dl, 226.5 mg/dl, 224.7 mg/dl, 213.8 mg/dl, 203.7 mg/dl; LDLコレステロール:男性121.4 mg/dl, 121.3 mg/dl, 119.1 mg/dl, 111.2 mg/dl, 108.1 mg/dl; 女性 112.8 mg/dl, 133.1 mg/dl, 131.6 mg/dl, 123.2 mg/dl, 116.5 mg/dl; アポリポ蛋白B:男性 87.5 mg/dl, 88.6 mg/dl, 87.4 mg/dl, 82.9 mg/dl, 79.7 mg/dl; 女性 77.2 mg/dl, 91.2 mg/dl, 92.2 mg/dl, 89.0 mg/dl, 85.0 mg/dl; sdLDLコレステロール:男性 40.4 mg/dl, 41.2 mg/dl, 39.7 mg/dl, 34.1 mg/dl, 27.8 mg/dl; 女性 28.5 mg/dl, 37.0 mg/dl, 36.5 mg/dl, 34.6 mg/dl, 28.3 mg/dl)
さらに対象者の追跡調査を継続した。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は以下の内容を実施する。
①2023年度は、2009年に収集した40歳以上の住民を対象とした横断調査の成績を用いて、各脂質指標と危険因子の関係を検討
する。
②2023年度以降も、前年度と同様に生活習慣病、心血管病、認知症、うつ病発症の追跡調査を継続し、追跡データの整備を行う。
③研究結果については、学会発表や論文化を行う。さらに、研究成果を住民へフィードバックし、啓発活動を行う。
以上の研究を継続することにより、性差を考慮した脂質指標と心血管病・認知症の関係を明らかにする。

Causes of Carryover

(次年度使用額が生じた理由)
2023年度の当初の計画では、研究補助者に支払う人件費を支出する予定であったが、実際には研究補助員を雇用する必要がなかった。
(使用計画)
2024年度は、本研究をさらに推進するため、必要な研究補助員を雇用予定であり、その人件費、また研究成果を学会等で公表するため旅費として、使用予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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