2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a method to reduce breast cancer risk caused by chest X-ray CT examination
Project/Area Number |
23K09753
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
五反田 留見 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (70542281)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | dose reduction / breast cancer prevention / radiochromic film / computed tomography |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がん検診で行われるマンモグラフィー検査では発がんリスクを考慮し被曝線量を3 mGy以下に抑えるガイドラインが確立しているが、それよりもはるかに被曝線量が多い胸部X線CT検査での乳腺被曝線量のガイドラインは存在しない。「日本の診断参考レベル(2020年版)」では成人CTの胸部撮影の診断参考レベルは、CTDIvol値で13 mGy、DLP値で510 mGy・cmと報告されている。しかし、CTDIvol・DLP値は人体内部での被曝線量参考値でしかなく、乳腺の被曝線量はこの値よりもはるかに高いと考えられ、どれだけの発がんリスクに曝されているのかも不明である。 本研究では、胸部X線CT検査によって引き起こされる乳がんリスクの増加を、簡易的かつ効果的に低減する手法を確立し、普及することを目的とする。 本年度は、フィルム型線量計を用い、胸部CT検査時の乳腺被曝線量測定実験を行った。胸部ファントムN-1(京都科学)に胸部ファントムN-1用乳房プレート(京都科学)を装着した状態で、A・B・C・C‘・D領域にフィルム型線量計を貼付し各乳腺領域での被曝線量測定を行った。防護材の有無による線量評価、防護材の厚みによる線量低減効果の評価、防護材による画質への影響について評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、防護材となる乳腺防護シートの線量低減効果について明らかにすることが目的であった。当初の計画では、①シートの厚み ②大きさ ③形状 を変化して被曝低減効果を検討する予定であったが、今回は①のみの検討になってしまった。今後、シートの大きさ、形状を変化させ、被曝低減に最適な形状を検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は、乳腺防護シートの大きさ、形状を変化させ被曝低減効果の検討を行う。その際撮像した画像データから画質評価を行い、最適な形状・厚みの乳腺防護シートを決定する。
|
Causes of Carryover |
(理由)当初予定していた線量評価実験が全て行えず、使用するフィルム型線量計の費用が掛からなかったためと考えられる。 (使用計画)次年度分と合わせ、未実施である線量評価実験に使用するフィルム型線量計の購入費、所持している乳腺防護シートの材料が不足したための購入費、成果報告のための学会参加費などに使用する予定である。
|