2023 Fiscal Year Research-status Report
劣化DNA試料を対象としたマイクロハプロタイプ解析による新たな個人識別法の開発に関する研究
Project/Area Number |
23K09761
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅村 英樹 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80324250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原山 雄太 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (40969036)
小林 寛也 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00826886)
佐藤 紀子 信州大学, 医学部, 助手(特定雇用) (00649254)
塩崎 哲也 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00722018)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 劣化DNA / マイクロハプロタイプ / 個人識別 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本人集団の個人識別に有用なマイクロハプロタイプ(MHs)マーカーを用いた個人識別を目的としており,特に法医学分野で扱う骨や歯などの硬組織に残存する劣化したDNA試料の解析に最適化したパネルの構築を目指している.令和5年度は,以下の項目について研究を実施した. (1)MHs解析システムの構築 日本人集団を分類するためのシステム構築において,日本人の個人識別に有用なMHsの選択を行った.候補マーカーから,アレル頻度を基に日本人分類に有用なマーカーを抽出した.日本人識別に適した遺伝的多様性を反映するマーカーの候補選択することができ,この選定結果をもとに劣化DNA解析に対応可能なパネルの設計を現在検討している. (2)劣化DNA試料の作製と既存法との比較検討 現在,硬組織からのDNAを用いた個人識別はマルチプレックスSTR解析が主流である.しかし,現行法では劣化DNAにおいては個人識別を行うための十分なデータを得ることが出来ないことが稀にある.作製したMHs解析システムの有用性を検証するためには,法医学実務で遭遇する劣化したDNA試料を用いる必要があるため,試料の準備を行った. 法医実務試料を用い,DNA抽出を行い,DNAの劣化度を評価するために既存STR解析試薬であるGlobalFiler Kit及びDNAの分解度を定量的に評価するQuantifiler HP Kitを使用し抽出DNAの劣化度を評価した.現在,上記検証によりSTR検出率が50%以下かつ分解度が大きい試料を,5例分収集することができた.これらの試料と我々のシステムが他の既存STR解析法に対してどの程度の優位性を持つかを評価することが可能と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要のとおり,現在の進捗状況は下記のとおりである. (1)日本人集団を識別可能なMHsは選定したものの,劣化試料に対する条件設定がまだできておらず,現在条件検討を進めている. (2)既存のSTR法で解析がやや困難な劣化DNA試料の作製は順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策については,以下の点を検討している. (1)MHs解析システムの構築 : 検討中のマーカーを適宜,加除しながら劣化DNAに対応可能なMHs解析システムの構築を行う. (2)MHs解析システムの正確性試験及び感度検証 : 作製した解析システムをDNAが既知の試料と比較し,システムの正確性を検証し,希釈系列による感度検証を行う. (3)劣化DNA試料の継続的な作製 : 劣化DNA試料の継続的な収集を行い,解析システムの有効性検証の準備を行う. (4)システム構築についての研究成果をまとめ,学会発表を行う.
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