2023 Fiscal Year Research-status Report
Pathological study of muscle fiber atrophy in aged persons or alcoholics
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23K09768
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
新谷 香 (石田香) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345047)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アルコール / 筋萎縮 / ユビキチンリガーゼ / 老化 / C2C12細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまずラットの慢性アルコール摂取モデルを用いて、筋萎縮が速筋優位に起こることを確認し、速筋の萎縮に関与するユビキチンリガーゼの探索を行った。4-5週齢のラット雄にLieber-DeCarliのエタノール含有液体飼料を8週間摂取させた。コントロール群はペアフィードを行った。速筋である長趾伸筋の湿重量はエタノール摂取群で15%減少していたが、遅筋であるヒラメ筋では変化がなかった。長趾伸筋の速筋線維、ヒラメ筋の遅筋線維の横断面積を測定したところ、エタノール摂取群では速筋線維が有意に萎縮し、遅筋線維はやや肥大していた。E2ユビキチンリガーゼであるUBR2の発現量は、長趾伸筋ではエタノール摂取によって上昇したが、ヒラメ筋では変化がなかった。一方、筋組織特異的E2ユビキチンリガーゼであるMuRF1の発現量に変化はなかった。 この現象を詳細に検討するため、マウス筋芽細胞株C2C12を速筋線維の性質を持つ筋管細胞に分化させ、エタノールあるいはアセトアルデヒドを添加した。筋管の幅は6時間後にそれぞれ10%、20%縮小していた。アルコール脱水素酵素阻害剤共存下でエタノールを添加すると筋管細胞幅の縮小が抑制されたことから、エタノール代謝物のアセトアルデヒドが筋管細胞の縮小を引き起こすと考えられた。アセトアルデヒド添加のC2C12筋管細胞はUBR2が増加していた。siRNAでUBR2をノックダウンさせたC2C12筋管細胞ではアセトアルデヒド添加による縮小が有意に抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、動物モデルと細胞モデルの両方でエタノールによる筋萎縮を確認し、萎縮に関与すると思われるユビキチンリガーゼを見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となるユビキチンリガーゼの関与をsiRNA法などを用いて確認する。このユビキチンリガーゼの活性化が速筋特異的に起こるメカニズムをC2C12細胞を用いて解明する。
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Causes of Carryover |
ユビキチンリガーゼの探索が予想よりスムーズに進み、抗ユビキチンリガーゼ抗体等の消耗品代が安く済んだため。次年度は候補となったユビキチンリガーゼの萎縮への関与を詳細に検討するため、次年度使用額と翌年度分の助成金を合わせてsiRNAやプライマー等を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)