2023 Fiscal Year Research-status Report
死戦期におけるエンドルフィン放出の意義と神経細胞保護作用との関連性についての解析
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23K09769
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
石川 隆紀 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50381984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 直人 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00802612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低酸素 / ホルモン / 法医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで研究代表者である石川隆紀を中心とした研究分担者らは、多種の中毒物質を服用した場合、必ずしも摂取時と同じ割合で血液や脳脊髄液に到達するわけではなく、選択制をもって目的とする細胞に移行し、目的とする場所において、濃度が異なることを明らかにしてきた.これは,本研究において、培養細胞を用いたin vitroの研究を主体として生理活性物質(ホルモン)に関する共培養法を活用して、血液から脳脊髄液などの目的組織、臓器に選択的に移行するメカニズムを明らかにするため、実験を重ねてきた.今回、我々は共培養法を利用した脈絡叢のモデルである血液脳脊髄液関門モデルを作製し、エンドルフィンの脳脊髄液における病態生理学的意義について、あらゆる環境下で実行し、包括的に研究を進めている.研究の目的は,血液から脳脊髄液への様々な生理活性物質の選択的移行のメカニズムを解明するために,剖検試料および培養細胞を用いて血液脳脊髄液関門モデルを構築して生理活性物質移行のメカニズムを明らかにすることにある.我々は,剖検試料におけるエンドルフィンが特定病態下において,血液と脳脊髄液との 間で,大きく濃度変化することを明らかにした.具体的には,血中エンドルフィン濃度は,各種死因群において,ほぼ臨床基準値内にあるるものの,窒息死,具体 的には低酸素・虚血性病態においては,他の死因群に比較して高値を示すことを明らかにした.そのメカニズムを明らかにするため,まず,剖検例における下垂体中のエンドルフィンのmRNAレベルを測定することから始める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究するにあたり症例数が整いつつあり、予備実験ながら予定通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
エンドルフィンが血液側から血液脳脊髄液関門を通過し、脳脊髄液側に移行し、脳脊髄液側のエンドルフィン濃度は、温度依存的かつ時間経過とともに上昇することを明らかにしてきた. 今後はエンドルフィンが低濃度かつ培養時間が長い場合に、抑制されるのかどうかについて検討する予定である.
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Research Products
(3 results)