2023 Fiscal Year Research-status Report
The association between sudden deaths in the bathtub and heat stroke due to warming.
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23K09774
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 文子 北里大学, 医学部, 教授 (70328128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 恵理子 北里大学, 医学部, 助教 (60760270)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CPT2遺伝子 / 熱中症 / 熱不安定性フェノタイプ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱中症疑いの死亡例におけるCPT2遺伝子の多型解析を行い、関連性について検討を行った。北里大学医学部法医学で2013年1月から2022年5月に扱った症例のうち、熱中症およびその疑いと診断された剖検10例、検案4例から採取された血液を試料とした。DNA抽出には、QIAamp DNA Investigator Kit(QIAGEN)および、QuickGene-AutoS DNA Blood Kit(KURABO)を用いた。CPT2遺伝子の全エクソン領域についてサンガーシーケンスを行い、塩基配列情報を取得した。検出された遺伝子多型について、dbSNP上の日本人の集団頻度と比較した。本研究は北里大学ヒトゲノム研究審査委員会の承認を受けて行った。熱中症およびその疑いのある症例において、c.1055T>G (F352C) が2例、c.1102G>A (V368I)が12例、c.1939A>G (M647V) が1例に認められた。これらの多型は熱不安定性フェノタイプ症と関連があるとされているが、その頻度は日本人集団と比べて有意に高くはなかった。この中で、熱中症での入院歴のある症例ならびに救急搬送時に高体温を呈していた症例の2症例でF352CとV368Iの2つの多型が確認された。この多型の組み合わせは、41℃におけるCPTⅡの酵素活性が30分でwild typeの約45%まで低下することが先行研究で報告されている。さらに、尿中ミオグロビン濃度が高値を示した1症例でc.1717C>T(L573F)がみられた。これはdbSNPで未報告の多型であり、機能は明らかになっていないが、高体温下におけるCPTⅡの酵素活性に影響を及ぼした可能性も考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、入浴中の急死例とコントロール例のCPT2遺伝子の解析しており、順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
入浴中の急死、コントロール例(外傷例)について、CPT2遺伝子の多型解析を施行している。今後、熱中症例と比較していく予定である。 同時に、入浴中の突然死例の腎臓の尿細管内の円柱についても調査する予定である。
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Causes of Carryover |
入浴中の急死例の腎臓の尿細管の円柱について、施行が遅れており、予算の使用が遅延いたしました。
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