2023 Fiscal Year Research-status Report
「死―看取り」の学びを支援する教育・支援プログラムの開発
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23K09793
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
合田 恵理香 日本医療大学, 保健医療学部, 講師 (60756641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 由紀子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (20279433)
春名 美恵 日本医療大学, 保健医療学部, 助教 (80972166)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看取り / 死 / 新卒看護師 / 体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「死―看取り」体験における学び・成長のプロセスを構造化し、そのプロセス過程で必要とされる教育・支援を考察し、「死―看取り」ケアの質向上に貢献できるプログラム開発を目指し、実施している研究である。初めに一段階目の研究として、「死―看取り」を体験した新人看護師が、負の感情にとどまらず、どのように学び、成長しているのか明らかにするための研究を行った。 新卒看護師の多くは若い世代であるがゆえに、身近な人の死の体験や死を実感した体験に乏しいと推察する。先行研究では、死を迎える患者と向き合うことで、重責感や無力感、リアリティショックなどの負の感情を生じることが明らかにされている。しかし、看取りの体験が自身の死生観やその後の看護実践に影響を与え、看取りを体験したことで看護師として成長につながる可能性があると考える。 以上のことから、新卒看護師が体験した看取りの状況やそのときの思い、またその体験をどのように学びに転換したかを明らかにすることを目的とした。 研究デザインは質的記述的研究とした。A市にある一般病院の看護部門責任者へ研究の協力を依頼し、同意を得た4施設の新卒1年目の看護師を対象とした。日勤、夜勤を問わず、その日に担当した患者の看取りを体験した新卒1年目の看護師12名に対し、最初に患者の看取りを体験したときの状況や思い、感情、そのときに実践できた看護、また先輩看護師からの助言や具体的な働きかけ、看取りの体験による自身の看護観や死生観への影響などについて、60分程度の半構造化面接を行った。現在、逐語録を作成し、メンバーチェッキングを経て、要約的内容分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新卒1年目の看護師で看取りを体験している看護師が少なく、研究対象者の確保に難渋したため、進捗状況がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施している一段階目の研究結果をまとめたのち、二段階目の新人看護師の教育ニードに関する全国調査に向けた質問紙作成のため、看取りを体験した新卒1年目看護師を支援した先輩看護師への質的研究と、関連する文献の検討を行う予定である。しかし、一段階目の研究同様、研究対象者の確保に時間を要する可能性がある。したがって、質的研究と文献検討を並行して行い、早期に質問紙を作成することで、円滑に二段階目の研究に進めるよう取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
研究遂行がやや遅れたことにより、当初予定していた学会発表ができず、次年度使用額が生じた。そのため、国内外での学会発表や論文発表、英文校正等に使用する予定である。また、今年度は全国調査にの結果を分析するため、統計ソフトなどを購入する。
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