2023 Fiscal Year Research-status Report
下肢挙上・側臥位を組み合わせたセミファーラー位の心肺機能に対する低負担条件の解明
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23K09795
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
古舘 卓也 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 助教 (40848032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 聡 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90433614)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 一回拍出量(SV) / 心拍数(HR) / 下肢挙上(PLR) / セミファーラー位 / 寝たきり / 循環量 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,健常若年成人を対象に,セミファーラー位で下肢を挙上した姿勢、セミファーラー位で下肢を挙上しない姿勢,そして背臥位の3つの姿勢の循環量を比較した.一回拍出量(SV),心拍出量(CO),心拍数(HR),血圧(BP),左室駆出時間(LVET),自立神経活動(RSA)を測定した.SVとCOは,胸部に装着するインピーダンス計を用いBernsteinの式(Bernstein et al.,Med Biol Eng Comput 2005)から算出した.心拍数は,心電図(第Ⅱ誘導)で測定した.自立神経活動は心電図のRR間隔から周波数解析を行い呼吸性洞性不整脈(RSA)を算出した.測定は,安静臥位で10分過ごした後,各姿勢で15分づつ測定し,後半5分を解析区間として採用した. セミファーラー位では,下肢を挙上しない姿勢よりも下肢を挙上する姿勢で循環量が保たれる事が明らかになった.下肢を挙上する姿勢は,下肢をしない姿勢に比べ,SVは増加し,HRの上昇を抑えられた.この時のLVETとRSAは,下肢を挙上する姿勢で増加した.また,下肢を挙上する姿勢は,背臥位とほとんど同等のSV,HR,LVET,RSAとなりえることが本研究により明らかになった. 現在,通常のセミファーラー位に加え,Kubataらが提案した上部体幹を起こした姿勢について,健常若年成人の下肢の挙上の効果を検証している.現在8割程度の被験者の測定・解析を終了している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インピーダンス波形からSVを算出する解析処理,及び被験者の確保に予想外の時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年8月頃までに,通常のセミファーラー位に加えてKubataらの提案した上部体幹を起こした姿勢についても下肢挙上の効果の測定、解析を終える.また2024年11月から12月頃に学会発表及び学術雑誌への投稿も行うことをを目標として進めている.
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Causes of Carryover |
解析や被験者の確保に時間を要し.進捗に遅延がみられる. 2023年度の余剰分で,胸部インピーダンスのや心電図の電極,血圧計のカフを購入予定である.また,被験者への謝金や旅費も精算も余剰分を割り当てていく予定である.2025年度に測定予定の側臥位の姿勢を保持するためのクッション等も追加購入していく.
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