2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of nurse' performance improvement model focusing on psychological safety in geriatric health care facilities
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23K09808
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮田 千春 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40738655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
占部 美恵 (片丸美恵) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00451401)
竹井 千里 第一薬科大学, 看護学部, 助教 (20887244)
多久和 有加 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (20909270)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 介護老人保健施設 / 看護管理者 / 心理的安全性 / ワークエンゲージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 介護老人保健施設(以下老健)の看護師が専門職性発揮できる職場環境整備に向けて, ワークエンゲージメント(以下WE)向上の重要なカギとなる組織特性を解明し,組織特性と看護師のWEとの関連および帰結として看護師のパフォーマンスとのメカニズムの解明をすることである. 組織特性として心理的安全性に着目し, 心理的安全性の検討するにおいては,どのような文脈を対象とするのか,目指す成果の同定,明確な定義が重要である.そのため,2023年度は課題1である老健における「心理的安全性」の概念の抽出ために看護管理者への面接調査を実施した. 対象者は,意図的抽出法にて選出した近畿地方(大阪,京都,兵庫,滋賀,奈良,和歌山)の老健に勤務する看護管理者8名であった.半構造化面接を実施し, 質問内容は老健における心理的安全性についての認識, 看護師の専門職性の発揮が期待される文脈(状況)の現状や課題等である. インタビューの内容を逐語録に起こし,質的記述的分析にて解析した. 参加者は全員女性,平均年齢は44.6歳であった. 老健の心理的安全性として「医師, 看護師,介護者それぞれが多職種のケアチーム内で専門的な視点から自由に意見を言える」, 「組織においてそれぞれの職種が尊重される」が抽出された。 さらに、現状では老健において看護師の心理的安全性が十分に確保されていないと感じており,「利用者に対してより良いケアを提供するために意見を共有できていない」, 「ケアに対する考えが統一されていない」という認識があった. その障害の要因として. 業務の多忙さ, 多職種のケアチームにおける相互理解の欠如, 施設内の古い慣習的な上下関係, 看護スタッフの知識と専門的自律性の低さの3つが抽出された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画課題1の面接調査は順調に進んでおり、面接データは随時分析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では,面接調査における質的記述的分析結果のカテゴリーの飽和化に至っていない. そのため,2025年度に実施する課題2の心理的安全性,WE,個人特性,パフォーマンスの変数間の理論的関係性を明らかにするための質問紙調査に向けて,さらに面接調査のリクルートと面接調査および分析を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
面接調査の施設が近郊であったため,移動の交通費が想定よりかからず, パソコンやプリンター関連物品等物品の購入を控え経費の節約をした. 面接調査を引き続き実施するため,調査場所への旅費, 面接調査分析結果の発表のための学会参加費および旅費への使用を計画している.
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