2023 Fiscal Year Research-status Report
看護学士課程における臨床判断能力を高める統合実習モデルの開発
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23K09812
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Research Institution | Tsuruga Nursing University |
Principal Investigator |
道重 文子 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 督子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (00352906)
林 愛乃 敦賀市立看護大学, 看護学部, 助教 (20735310)
石田 瑠美 敦賀市立看護大学, 看護学部, 助教 (30805172)
川北 敬美 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (50440897)
伊部 亜希 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (80452431)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 統合実習モデル / コンセプト / 臨床判断 / 電子記録 / シャドーイング / リフレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では臨床判断能力を高める統合実習モデルを開発することを目的としている。本年度は、研究代表者が所属する教育機関の学生の統合実習について、これまで実施されていた統合実習としての「看護マネジメント実習」の内容を変更し、モデル例を試行した。実習計画の立案では、自らが学びたいコンセプトを抽出できるように管理的な面、技術的な面、担当したい事例が明らかになるように指導した。実施した実習内容にについてのリフレクションをタイムリーに行えるように、実習用PCに学生と教員が記録内容を同時に確認することができる「振り返りシート」の電子記録システムを搭載し学生個々に貸し出した。 実習1日目は、看護管理者(師長、主任、リーダー等)に同行している。「看護マネジメント実習におけるシャドーイングでの学生の学び」について、同意の得られた学生29名(50.9%)の振り返りシートの内容分析を行った結果、看護師長では、巡視等による「情報収集と共有」、ベッドコントロールなどの「病床管理」、スタッフや学生に対する「教育指導」の場面を多く見学し、看護の質を保証するための環境整備、業務量の調整、人材育成、種々の記録の確認など病棟全体をマネジメントし地域連携のための業務を担っていることに気づいていた。リーダーでは、患者ケアが安全に充足されるように人材を選定し、メンバーへの助言やケアの実践も行っていることに気づいていた。1日のシャドーイングでも組織の一員として必要な看護マネジメントについての基礎的な理解を得ていた。 実習記録の電子化についてのアンケート結果では、便利であったが95.7%、その日のうちに教員からのコメントがもらえ、60.9%がコメントは実践活動に役立ったと回答していた。紙の実習記録については43.5%が返却不要と回答し、タイムリーにリフレクションすることの重要性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の施設を対象とした学生へ、考案した統合実習モデルを実施し、実習での学びや課題について検討した。実習記録の内容、学生の振り返りの内容、記録システム等から分析しているが時間を要している。この内容から、インタビューガイドを作成し、研究分担者の2校の学生も含め、学修した実習内容と期待する内容についてのグループインタビューを予定していたが、分析が遅れたため、実施が遅れている。 臨床指導者に対する「臨床指導者が実施した指導内容と不足している経験内容」に関しても上記の分析が遅れたため、グループインタビューが実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
3校の学生へのグループインタビューをは、各校の統合実習が終了している2024年9月頃の実施を予定している。 臨床指導者に対する「臨床指導者が実施した指導内容と不足している経験内容」ついてのインタビューを予定していたが、各校によって統合実習内容が違うため、4年生の統合実習を担当した臨床指導者だけでなく、実習を受けいれた病棟スタッフを対象として調査し、実態と今後の課題を明らかにしていくこととする。 また、2024年度に米国を訪問し、実習の進め方の実際を視察予定であったが、円安の影響もあり、米国で勤務している看護師に、e-mailとZOOMを使用して現状の紹介をしていただくように変更する。
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Causes of Carryover |
各研究分担者が研究費を全額使用していなかったため残額が生じた。2023年度の研究成果より、実習に使用するPCを臨床指導者も学生の記録をタイムリーに見て指導の参考とするためにPCを必要数購入予定である。
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