2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of skin care standard for prevention of aggravation of skin disorders associated with anticancer drug treatment
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23K09893
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
西尾 奈緒美 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (20437445)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 抗がん剤治療 / スキンケア / 皮膚障害 / 看護支援 / 看護介入 / 皮膚生理機能 / 皮膚科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療の一つである抗がん剤治療は、細胞分裂の活発ながん細胞に作用しその効果を発揮する一方、人の身体の正常な細胞にも影響を及ぼし、皮膚のバリア機能が低下するため有害事象としての皮膚障害が問題となっている。この有害事象である皮膚障害は、薬剤の主作用の結果として発症することから、重度な皮膚障害が発症した場合、治療薬投与の中断をせざるえない状況となることから、皮膚障害の重症化を予防し、継続したがん治療を実施することが重要である。また、近年では、患者のニーズにこたえるため、がんの根治性のみならず生活の質も重視され、外来で通院しながら治療をするという選択肢が積極的に行われるようになり、患者からは治療に関する高い満足感を得ていることが報告されている。一方、外来で治療し自宅に帰宅後は、有害事象の一つである皮膚障害に伴う身体的、精神的な苦痛に対し、自ら対処をしていかなくてはならないこと、治療が長期であることからそれら苦痛や対処に要する期間も長く不安を抱えながら日常生活を送っていることも報告されている。しかし実際、医療施設では患者の皮膚を日常的にケアする全ての看護師が皮膚の状況をアセスメントし、ケア介入に直結するための意思決定ツールがなく、在宅でセルフケアを実施する支援が整備されていないのが現状である。よって、看護師と患者が使用可能なスタンダード化されたスキンケア方法を提供することは意義がある。 本年度は、「抗がん剤治療を受ける患者の症状マネジメント」および、「医療施設でスキンケアを行う看護師の実態と看護師が抱える問題点の明確化」に関する2つの調査研究の倫理審査の準備に向け、着手した。また、調査実施医療施設の研究協力者を通し、調査実施施設へプレゼンを実施し、依頼をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗がん剤治療を受ける患者に対するスキンケアの実態調査を開始するにあたり、専門家により調査項目が不十分であるとコメントを受け、調査項目および調査方法とそれに用いる機器の検討を実施した。そのため、調査開始が遅れ、その分の研究費が次年度使用となった。
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Strategy for Future Research Activity |
学内倫理審査終了後、医療施設での倫理審査を実施、その後各関係部署にて研究実施に向けての説明会を開催する予定である。また、その後、抗がん剤治療を受けるがん患者のスキンケアを実施した経験のある看護師を対象に質問紙調査、インタビュー調査を開始する。また同時に、抗がん剤治療を受けているがん患者を対象に非侵襲的機器を用いた皮膚生理機能の実態調査および在宅でのケアの実態についてのインタビュー調査を開始し、当初の計画通りとする。
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Causes of Carryover |
実態調査の調査項目見直しを実施したことにより、統計ソフト選定について再検討が必要となり、初年度の購入を見送り次年度へ移行した。また、学会発表の実施も次年度への見送りとなった。次年度は見送りとなった統計ソフト、消耗品の購入、学会発表の参加費、旅費として使用予定である。
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