2023 Fiscal Year Research-status Report
アドバンストスキンケア開発を目指した失禁関連皮膚炎と細菌バイオフィルム形成の関連
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23K09894
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
光田 益士 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 講師 (00521246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 教授 (00203307)
小柳 礼恵 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 講師 (20887707)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 失禁 / 皮膚 / 失禁関連皮膚炎 / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
失禁を有する患者は陰部皮膚への尿便の持続的暴露により失禁関連皮膚炎の発生リスクがある。失禁関連皮膚炎は痛みや掻痒感に伴い患者の生活の質を著しく低下させる。われわれの過去の研究で、失禁関連皮膚炎の保有者は未保有者と比較して陰部に定着する特定の細菌バイオフィルム形成能が高いことを明らかにしている。そこで本研究では、入院時からの細菌バイオフィルム形成能の経時的変化を解析することで、「いつ、どの部位に形成された、どんなバイオフィルムが失禁関連皮膚炎の新規発生に関与するのか」の解明を明らかにすることを目指す。計画書に記載の通り、本年度は失禁関連皮膚炎の新規発生の調査を開始した。研究実施施設に入院した脳卒中患者を対象に、入院時にベースライン計測で失禁関連皮膚炎の観察、およびスワブ法による陰部の皮膚細菌の採取を行った。失禁関連皮膚炎の観察に関して、調査対象部位は肛門周辺、臀裂部、左臀部、右臀部、性器部(陰唇部/陰嚢・陰茎)、下腹部/恥骨部、左鼠径部、右鼠径部の8部位とした。失禁関連皮膚炎を認めた場合、その重症度評価スケール(IAD-set)を用いて重症度評価を行った。皮膚細菌の採取は、失禁関連皮膚炎の調査対象部位8部位のうち少なくとも1部位以上で行った。本年度は34名の患者から研究参加の同意をいただき、次年度も継続する。採取した皮膚細菌を分離同定し、保存した臨床分離株を次年度以降の研究に使用する。病院看護部とは定期的にミーティングを行い、円滑な研究実施体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の研究実施計画通りに進んでいる。藤田医科大学医学研究倫理委員会の承認後に調査を開始し、次年度も継続する予定がある。本研究の分析対象となる菌種の分離・同定プロトコルは確立した。調査対象病棟の主治医および病院看護部の協力を得て、研究を継続する実施環境が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の研究実施計画の通りに遂行する。失禁関連皮膚炎の発生率調査および陰部からの皮膚細菌の採取を継続し、目標症例数の達成を目指す。臨床分離株の特性を確認した後、そのバイオフィルム形成能を2群(失禁関連皮膚炎の新規発生群、未発生群)間で比較する。
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Causes of Carryover |
本年度は皮膚細菌の採取と分離同定に経費を使用した。次年度は皮膚細菌の採取と分離同定を継続するとともに、保存した臨床分離株の解析を予定する。
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