2023 Fiscal Year Research-status Report
Generation of a model that allows nurses working with medical care children in special needs schools keeping one's job
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23K09910
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
林田 一子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (90912642)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学校看護師 / 医療的ケア児 / 特別支援学校 / 勤務継続 / 複線径路等至性アプローチ / 離職予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究初年度であり、以下について行った。 1.学校で医療的ケア児に関わる看護師の勤務継続に関する要因、および複線径路等至性モデリングによるインタビュー調査の研究課題を明らかにする目的で、文献検討を行った。学校看護師の勤務継続の要因として考えられたことは、各校での学校看護師の役割が明確であること、その役割を他職種と共有できている状況、および教諭との連携が可能である状況であった。また、有期雇用が理由で勤務を継続できないといった、制度面の課題があることが明らかとなった。勤務を続けている学校看護師が、教諭との連携・協働するプロセスでどのような経験をしていたのか、および学校看護師の役割が不明確であった時期にはどのような資源があったかについて、インタビューで丁寧に聞き取っていく必要がある。 2.医療的ケア児が在籍する小・中・高等学校および特別支援学校に勤務を続けることができている学校看護師へのインタビュー調査に着手した。現在は5名に対して、一人につき3回のインタビューを行っており、3名については3回のインタビューを終了した。 3.10年以上の長期に渡って特別支援学校で学校看護師として勤務を続けた看護師の経験について、ライフライン法を用いたインタビューを行い、複線径路等至性アプローチで勤務継続プロセスを分析した。学期雇用や非常勤といった雇用条件から勤務継続が困難となりそうな中、「医療的ケア児の母を支える」という展望をもって学校看護師を続けていた。一度は退職することを決め、そのことが発端となって、常勤雇用制度を整備する動きとなり、勤務継続に移行していた。社会的な文脈に着目した勤務継続要因は、学校看護師の雇用条件改善のための学校長および教育委員会の支援、インフォーマルな学校看護師とのつながり、相談できる指導医の存在が考えられた。この結果を、日本発達心理学会第35回大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究が円滑に進められるよう、前年度から文献検討に着手していたため、研究全体としてはおおむね順調に進められている。しかし、学校看護師へのインタビュー調査については、協力者を職場での上下関係のないネットワークで募っているが、なかなか協力者が増えない状況にある。そのため、インタビュー調査単体としの計画は予定より時間を要しており、遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点での5名の学校看護師へのインタビュー調査において、非常勤や任期付き雇用といった雇用の形式的な条件だけでなく、学校長の裁量や教育委員会の判断が学校看護師の働きやすさに影響していることが考えられた。この点について、学校看護師への全国調査を計画していく。並行して、引き続きインタビューへの協力者を募り、学校看護師の勤務継続が可能な質的モデルの生成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
引き続き、学校看護師へのインタビュー調査を進めていく。さらに、学校看護師への質問紙調査を行う予定としている。
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Research Products
(1 results)