2023 Fiscal Year Research-status Report
主観的QOLと死を選ぶ自己決定権の倫理的正当性-医師/看護職の積極的安楽死への視座
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23K09914
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
吉澤 千登勢 帝京平成大学, 健康医療スポーツ学部, 教授 (40461157)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 死の自己決定権 / 主観的QOL / 積極的安楽死 / 看護職 / 医師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療・看護実践において、医師や看護職が「積極的安楽死」に係る「主観的QOL」および「死を選ぶ自己決定権」についていかなる視座をもち、これらの問題に対して、どのような倫理実践(意思決定支援)を行っているのかを明らかにすることである。 現在、日本では積極的・意図的に死に至る措置をとる「積極的安楽死」に関する法律は制定されていない。よって2019年に、①多系統萎縮症の日本人(50歳代)が、「積極的安楽死法(刑法)」を容認しているスイスに渡り「安楽死」を実行したドキュメンタリーの放映(NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』)や、②京都でALS(筋萎縮性側索硬化症)患者(50歳代)が「積極的安楽死」を望んだ嘱託殺人事件の発生は、社会に大きな衝撃をもたらしたが、「安楽死」に関する社会的議論が深まることはなかった。 しかし日本は、今まさに超高齢社会による多死社会が眼前にあり、「どのような死に方を選択するのか」という問いは喫緊の課題である。世界に目を向けると、最も早く「積極的安楽死法」を容認した国はスイス(1942年)で、その後、欧米を中心に「安楽死」を合法化する国が増加している。 2023~2024年の研究計画は、国外の「安楽死法とその運用状況」および「国内外の安楽死に関する先行研究・書籍」についての要点整理を行うとともに、第1次調査の「単独またはグループインタビュー(医師・看護職)」に向け、緩和医療・ケアを実践している病院や在宅医療・訪問看護ステーションを選定し、インタビューを実施することである。2023年度は、「安楽死」に関する関連資料を収集し要点整理を行い、インタビュー調査に向けて、所属大学の「利益相反および研究倫理審査」を受審し「承認」を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度末に、第1次調査(インタビュー)を開始する予定であったが、担当業務(大学院博士課程開講初年度)や所属キャンパスの移転(引っ越し)等から、計画に遅れが生じている。現在、研究協力病院・在宅訪問看護ステーションを選定・依頼中で、決まり次第、第1次調査を開始する予定で準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、第1次調査(インタビュー)を実施し、その結果(分析)を基礎資料に、第2次調査(アンケート)実施に向け準備をする。「アンケート項目」の作成の際には、「安楽死法」について研究している有識者にも助言をもとめ、調査票の妥当性・信頼性を検討する。また研究結果を、論文投稿等を通して、社会に発信できるよう準備をする。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているため、第1次調査に係る予算の執行ができず、翌年に繰り越しが必要である。次年度は、研究協力者への謝礼や「アンケート(第2次調査)」作成の際の有識者への謝礼、調査票の印刷・郵送料、第1次・2次調査のデータ入力(人件費)、データ分析のための統計処理ソフトなどの使用を予定している。
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