2023 Fiscal Year Research-status Report
RI内用療法を受ける患者に対する看護ケアの標準化に向けたケアプロトコールの開発
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23K09924
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70455731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野戸 結花 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80250629)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 放射線看護 / RI内用療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,RI内用療法を受ける患者の治療に対する思い、治療後の生活上の実際や苦悩を明らかにし、RI内用療法を受ける患者のケアプロトコールを開発することである。IR内用療法を受ける患者の看護について、ケアの実際や各内用療法別でまとめられたものはないため、本研究で実施する RI 内用療法を受ける患者の看護ケアプロトコールの開発は喫緊の課題と考える。 今年度はRI内用療法の看護に関する文献について調査した後、RI内用療法のうち、患者の治療に対する思いが明らかにされていないペプチド受容体核医学内用療法(以下、PRRT)を受ける患者を対象にインタビュー調査を行った。対象者は5名で、初回治療前および終了約1か月後の2回、半構成的面接法を行った。結果、治療前は「放射性物質を用いる治療に対する思い」「治療を受ける決意」「副作用に対する不安」「治療後の日常生活に関する気がかり」、治療後は、「治療に伴う苦痛」「看護師の関わりによる不安の軽減」「副作用の辛さ」「周囲への被ばく低減のための行動」「治療直後における効果の不確かさ」を体験していた。以上の結果より、PRRTを受ける患者は、自身にとってイメージし難い、放射性物質を用いる点滴治療に対して副作用等の不安を抱えながらも決意し、治療に臨んでいた。入院時、看護師の関わりに安心感を得ていたが、薬剤静注による痛みや、嘔気、水分摂取と頻回の排尿による睡眠不足を感じていた。また退院後は、副作用の辛さを抱えつつ、家族と距離をとるなど被ばく低減行動をとりながら生活していた。以上より、看護師はこれらの患者の体験を理解した上で、思いを傾聴しながらケアすることが重要と示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の予定を計画通りに実施することができたため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の対象者数では一般化するのが難しいため、今後も患者対象のインタビュー調査を継続する。また、看護師のRI内用療法における体験についても調査し、患者と看護師の意識や思いの相違点を分析し、RI内用療法を受ける患者の看護ケアプロトコール案を作成する。
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Causes of Carryover |
入院数の関係で、今年度インタビュー調査の対象者数が少なく、一般化するにはさらにデータ収集する必要があるため次年度使用額が生じた。インタビュー調査にかかる消耗品費、次年度対象となる方への協力謝金、データ分析費用、成果報告のために用いる。
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