2023 Fiscal Year Research-status Report
COPD患者およびその家族に対する看護師主導の早期緩和ケアモデルの構築
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23K09930
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森本 美智子 岡山大学, 保健学域, 教授 (50335593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 右揮 岡山大学, 保健学域, 助教 (10880552)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 非がん性呼吸器疾患 / 早期緩和ケア / 障壁 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、臨床および在宅で直接実践に携わり、看護ケアにおいて指導的役割を持つ認定看護師を対象に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者および家族に早期緩和ケアを実施することの障壁を明らかにし、看護師に求められる緩和ケアの実践内容の検討から看護師主導の緩和ケアモデルを構築することを目指している。 令和5年度は、早期緩和ケア提供における障壁についてアイテムプールを行い、認定看護師を対象とした調査を実施することを計画していた。COPDは非がん性呼吸疾患であるが、終末期の苦痛は末期肺がん患者の苦痛に匹敵し、COPD患者への緩和ケアは、呼吸器看護および緩和ケアの領域において優先度の高い課題である。しかし、がんとは異なる点も少なくなく、医療者側の抵抗感や自信のなさなども指摘されている。 専門看護師へのインタビューからは、「慢性疾患の場合、自分の最期を考える感覚がない」といった非がんであることからの難しさの内容や患者が高齢化しているが故の難しさの内容、「緩和ケアに対する医療者での温度差がある」といった医師や専門病院と一般病院によって医療者の考え方が異なっていることからの難しさの内容なども抽出された。 Hupceyら(2021)のがん患者における緩和ケアの障壁の分類も参考としながら、医療システムの特徴なども踏まえて内容を整理している。文献レビューとの統合を行いつつ、アイテムとして精錬させ、調査へと繋げていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、アイテムプールを行い、認定看護師を対象とした調査を実施する予定であったが、文献レビューとの統合によるアイテムの精錬が行えておらず、調査には至らなかった。がん患者の領域では、看護師を対象とした緩和ケアに関する自信の高さを測定するツールが開発されており、新たな調査内容として検討も行っているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究補助者の協力も得ながら、文献レビューとの統合をすすめ、認定看護師を対象とした調査をすすめる。その調査結果から、障壁に関する実態を明らかにするとともに、関係している因子を検討し、看護師主導の早期緩和ケアモデルの構築へとすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
認定看護師への調査を計画していたが、調査には至らなかったため、調査に対する消耗品や謝金等が生じていないためである。調査の実施で使用を予定している。
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Research Products
(1 results)