2023 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がん患者の放射線治療による膣関連有害事象に対する患者支援プログラムの開発
Project/Area Number |
23K10025
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
後藤 志保 公益財団法人がん研究会, 有明病院 看護部, 看護師長 (50336533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 知映 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (20425432)
吉岡 靖生 公益財団法人がん研究会, 有明病院 放射線治療部, 部長 (30379242)
鈴木 美穂 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70645712)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 子宮頸癌 / 放射線治療 / 晩期有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である2023年度は、放射線治療を受けた子宮頸癌患者の膣関連症状(膣狭窄、乾燥、疼痛)に対して提供される看護介入を包括的に調査することを目的に、文献検討を行った。本調査で取り扱う看護介入は、直接的に看護師が症状に介入するものだけでなく、患者本人のセルフケアを支援するもの、患者への教育も含めるとして国内外の文献を検索した。 国内においては、有害事象の程度とQOLなどとの関連を調べたものが多く、国外では膣ダイレーターによる介入研究、認知行動療法を取り入れた患者教育といった研究が見られた。骨盤領域に放射線治療を受けた女性に対する膣ダイレーターを用いたケアについて、その有効性を評価した。膣ダイレーターを継続して使用するためには、情報提供だけでなく心理的教育的介入を合わせて定期的なフォローアップを行うことが効果的であることがいくつかのRCT研究から明らかになった。一方で3か月以降の継続はどの研究においても対象者の脱落が多く、膣狭窄の症状に関しては膣ダイレーター使用による有効性を証明することが困難であった。 現在文献を検討した結果をもとに国内外の介入について整理する作業を継続して実施している。これまで先行研究をもとにした膣関連症状に関するケアや構造を明らかにした報告は、国内では見当たらず、今後成果を発表する予定である。 文献検討の過程で、国内においては膣関連症状そのものを患者がどのように捉え対処しているのかを明らかにした報告はほとんどなく、今後の介入プログラム開発における実態を把握するための基礎データが不足していると考えられた。そのため、自施設において放射線治療を終了した子宮頸がん患者を対象に、膣関連症状とそれに対して行っているケアにどのようなものがあるのかインタビュー調査を計画し、調査を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献による調査は順調に行えているが、結果を成果として発表するには至っていない、2024年度の課題としたい。また2024年度の研究の調査項目を明確にするために、文献調査に加え必要と判断した患者インタビューを追加計画したため、進捗としてはやや遅れている。2024年度の研究計画に影響を及ぼさないようインタビュー調査を速やかに遂行する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度実施予定の実態調査にむけて、2023年度の文献調査だけでなく、患者へのインタビュー調査を追加実施している。インタビュー調査は対象者15名のところ5名まで終了しており、2024年度の実態調査の実施が遅れないよう、データ分析を行いながら、実態調査の準備をすすめていくこととする。 今後の研究の推進方策としては、2024年8月にインタビュー調査の分析を終了し、実態調査の研究計画の完成、11月~2025年1月に「放射線治療を受けた子宮頸がん患者の膣関連症状へのセルフケアとQOLの関連」として横断的量的記述研究で実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度は文献調査等をするにあたり、データ整理業務を依頼するために人件費を計上していたが、文献管理ソフト等の活用で人件費を使用することがなかったため次年度使用額が生じた。
|