2023 Fiscal Year Research-status Report
医療施設のクローン病癌化サーベイランスの認識とクローン病患者のセルフモニタリング
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23K10039
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石橋 千夏 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30564976)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クローン病 / セルフモニタリング / がんサーベイランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はクローン病がん化に対して、クローン病専門医のいない医療施設も含まれるがん拠点病院における消化器内科・外科医師のクローン病がん化サーベイランスへの認識の実際と患者のセルフモニタリングの実態を明らかにして、医師と患者が協働してクローン病がん化サーベイランスが行える可能性を考察し、がん化に対する患者の認識を高める啓もうツールの検討につなげることを目指している。 2023年度は、クローン病がん化サーベイランスに関する認識および実施状況を明らかにするために、まず文献検討を行って、先行研究をもとに調査項目の選定と回答方法を検討し、調査票を作成する。続いて作成した調査票をもとに、全国のがん診療連携拠点病院約400施設に対して、郵送およびGOOGLE FORMを活用したアンケート調査を実施する予定であった。 文献検討では、クローン病の疾患特異性からPET検査や大腸内視鏡検査といった通常の大腸がんのスクリーニング方法では、早期発見が困難であることが示唆された。そのためクローン病がん化サーベイランスでは、通常の大腸がんスクリーニングではエビデンスレベルが低いと言われるような腫瘍マーカーなども組み込んだ多種多様な項目で構成され、何らかの項目に抵触した段階で早期の細胞診につなげることを目指すものとなっている。こうした特殊性に対する認識は、クローン病専門医では高いことが明らかになっており、その際の調査項目を参考に調査票を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究における調査者(研究者)はコメディカルで(医師ではないため)、調査対象者である医師の置かれている状況に関して理解に乏しい。そのため研究の意義を汲んでいただき、多忙な中でも回答いただけるよう調査方法などを検討する必要があることに気づき、webによる調査を導入するなどの具体策を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は作成した調査票を可能な範囲で数人の医師に対してプレ調査を行い、回答しやすさなどの意見をいただき、調査票を改善する。次に修正した調査票をもとに、近隣の府県にあるがん拠点病院を対象に調査を行う。その回収率や結果を見て、次の段階の調査範囲や調査方法(web調査への変更など)を検討する。 調査中に患者への調査の準備をはじめ、2024年度中に当初の計画スケジュールに追いつく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は全国のがん拠点病院約400施設に郵送調査を行う予定であったが調査実施に至らず、次年度使用額が生じる結果となった。2024年度はプレ調査、近隣府県の調査を経て、全国の拠点病院に調査を行う予定であり、必要な資金に次年度使用額を充当する。
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