2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬治療を受ける肝がん患者に対する外来看護実践モデルの構築
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23K10041
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
高比良 祥子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (40326484)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 肝がん / 外来化学療法 / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は第1段階として,免疫チェックポイント阻害薬治療を受ける肝がん患者に対して,外来化学療法室でがん化学療法看護認定看護師が行う看護実践の特徴を明らかにした.参加者は,がん診療連携拠点病院等で1年以上外来化学療法室に勤務し,免疫チェックポイント阻害薬治療を受ける肝がん患者への看護実践者8名とした.その中のA氏について報告する.データ収集は半構造化面接法により行い,分析には質的統合法(KJ法)を用いた.本研究は,研究者の所属施設の研究倫理委員会の承認を得た.結果,A氏は【血管確保の確実性の保証:穿刺の上手さと血管耐久性の査定】を基盤に【信頼しあえる診療の保証:患者の努力やつらさを医師へつなぐ役割】と【患者の治療理解の促進:内容を選別した教育支援】を行っていた.これらは治療継続支援であった.外来では予防が患者に任されるリスクがあるからこそ【病院全体での重症化対策:多職種チーム連携と看護の丁寧さ】に基づき【患者の初期発信力の強化:免疫関連有害事象の激烈さの落とし込み】と【初発症状の受信力の強化:経験を積み上げた指標による把握】を行っていた.これらは免疫関連有害事象予防への方策であった.その一方で【厳しい制限の先:緩和ケアの余地がない厳しさ】への葛藤が存在していた.A氏は患者教育として【患者の初期発信力の強化】と【患者の治療理解の促進】を相俟って行い,外来看護師の役割として【初発症状の受信力の強化】と【信頼しあえる診療の保証】を行っていた.これらは両面から,治療を受ける肝がん患者の外来療養生活を支える支援であった.今後は事例を蓄積して看護実践の特徴を明確化する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1段階の面接調査は終了し、現在分析と論文執筆を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は第1段階の研究結果を論文投稿する.次に第2段階である,免疫チェックポイント阻害薬治療を受ける肝がん患者に対する看護実践自己評価尺度-外来看護師用-の原案の作成,内容妥当性の検討を行う.
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Causes of Carryover |
学術集会発表がオンライン開催となり旅費が発生しなかった.次年度の論文投稿費用,看護実践自己評価尺度の原案の作成,内容妥当性の検討に係る費用として支出する.
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Research Products
(4 results)