2023 Fiscal Year Research-status Report
感染症パンデミックに耐えうるがん看護システム構築のための有害事象評価シートの開発
Project/Area Number |
23K10046
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
本間 織重 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (10788508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 知映 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (20425432)
角田 卓也 昭和大学, 医学部, 教授 (30275359)
吉村 清 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30346564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん薬物療法 / 外来看護 / 診察前問診 / Covid-19感染症 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、がん薬物療法による有害事象とCOVID-19感染による症状の違いに関する検討を行った。具体的には、がん薬物療法中にCovid-19を発症した患者の臨床的特徴や症状などから、看護師による診察前問診の段階でCovid-19感染を見極める手がかりとなる特徴を得ることを目的とした。 A大学病院の腫瘍内科で、がん薬物療法を施行し、Covid-19感染のスクリーニングで発熱外来を受診した患者のうち、Covid-19発症患者を対象とした後方視的研究である。その結果、研究対象期間のがん薬物療法の実人数は599人で、発熱外来を受診した患者は74名だった。また、Covid-19感染者は12名で、がん薬物療法を実施した実人数の2%、発熱外来を受診患者の約16%だった。38℃以上の発熱者のなかでの関連因子の検討では性別が(p=0.029)、また65歳以上か未満かでの関連因子では、初発症状が同時に4つ以上出現している患者(p=0.026)に関連がある傾向がみられた。 本研究の結果より、Covid-19感染のがん患者予後への影響は懸念された。がん薬物療法中の患者に電話相談や診察前問診を行う看護師は、患者の性別や年齢、感冒に類似した4つ以上の症状が出現している場合には、Covid-19感染も考慮し、より慎重な症状の聴取が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の立案と分析を計画通りにすすめ、日本がん看護学会にて成果報告を行った。また論文化を行い、英文雑誌への投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、外来看護師が医師の診察前に問診を行うシステムそのもののが、何に有用となっているのかについて具体的に明らかにしていく。そのため、年齢や性別や疾患、治療内容による層別化などを行いながら解析をしていく。カルテからのデータに加え、wetなデータも統計解析に加えていく予定である。
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Causes of Carryover |
データの解析や論文執筆、投稿に関して指導を受けている分担研究者の使用するパソコンが、本研究期間の中に故障をした。そのため、研究計画遂行のため、急遽当該分担研究者のパソコンとその周辺機器やソフトを購入したため、当初の予定よりと差額が生じた。
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