2023 Fiscal Year Research-status Report
Building peer support for the young carers and young adult carers with parents or siblings with mental illness
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23K10049
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Research Institution | Yokohama Soei University |
Principal Investigator |
横山 恵子 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (80320670)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精神障害 / 精神障害者家族 / こども / きょうだい / ヤングケアラー / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
ヤングケアラーの存在が注目されているが、その中には、精神疾患の親やきょうだいをもつ子どもが大きな割合で含まれ、ヤングケアラーの経験は、その後の人生に大きな影響を与える。さらに、子ども時代を生き抜いてきた経験は、成人後に「生きづらさ」となり、仕事や家庭で苦労している。 本研究は、精神疾患のきょうだいや親をもつ、成人したきょうだいや子どもに着目し、彼らの抱える「生きづらさ」を明らかにし、孤立する「若者ケアラー」を仲間と繋ぎ、きょうだいと子どものピアグループの設立を支援することを目的とする。 具体的には、家族ピア教育プログラム「家族による家族学習会(以下、家族学習会)」を活用、「きょうだい版家族学習会」を開発し、きょうだいグループを設立する。また、「精神疾患の親をもつ子どもの会(以下、こどもぴあ)」を継続支援し、全国への普及を図る。さらに、きょうだいと子どものピアグループによる、「若者・ヤングケアラー」への、世代を超えたピアサポートの可能性を模索することを目的とする。 今年度は、きょうだいの立場の家族に協力を得て、きょうだいのオリジナルテキストを開発した。また、オリジナルテキストを用いて、「きょうだい版家族学習会」を実施し、アンケートとグループインタビューを行って、効果評価及び実現可能性を検討した。 さらに、子どものピアグループ「こどもぴあ」を継続支援し、東京、大阪、札幌、沖縄、福岡、岡山に加えて、今年度は高知県に7つ目の地域拠点を作ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの活動で得たネットワークから、きょうだいの協力が得られ、オリジナルテキストの作成ができた。また、連携機関の協力を得て、「きょうだい版家族学習会」を開催できたことから、おおむね予定通り、研究が進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
きょうだいに関しては、連携機関の協力を得て、引き続き「きょうだい版家族学習会」を開催していく。ただし、1クール5回での開催には、担当者に負担が大きいことが明らかになったことから、1クール3回での開催を試み、効果に違いがあるかを検証したい。また、学習会の経験者を中心とした、きょうだいのグループを作る予定である。 子どもに関しては、「こどもぴあ」の拠点が全国に広がったことから、今後の運営に関する検討を行うとともに、未成年の子どもたちへの支援を模索していく。
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Causes of Carryover |
今年度の残額は、次年度の経費とともに、「きょうだい版家族学習会」の開催に向けて使用する。また、継続的に「きょうだい版家族学習会」の効果評価を行う。これらのためには、きょうだいの協力が不可欠であり、研究協力者への謝金に使用したい。 子どもに関しても、「こどもぴあ」の更なる全国への普及、「こどもぴあ」の活動拡大に向けた支援に使用する。
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