2023 Fiscal Year Research-status Report
男性育休を取得する初産夫婦への看護支援プログラムの構築
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23K10066
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
塩野 悦子 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (30216361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 恭子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (50635589)
安部 葉子 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (70845156)
佐藤 美紀 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (90847568)
橋沼 芽依 東北福祉大学, 健康科学部, 助手 (20967103)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 男性育休 / 初産夫婦 / 看護支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、男性育休を取得する初産夫婦への準備プログラムを構築する第一段階として、男性育休中の初産夫婦の困難と対処を明らかにすることを目的とした質的研究を実施してきた。2023年10月に所属機関の倫理審査委員会の承認を受け、研究協力機関5カ所(行政1カ所・助産所2カ所・子育て広場2カ所)に研究依頼を行い、研究協力者を募集した。その際の研究協力者の要件は、男性育休取得期間が4週間以上、面接時期は生後半年以降とした。研究協力機関および研究協力者には研究概要を文書や口頭で説明し、承諾の場合に同意書を交わした。夫婦それぞれに40分から50分の半構成的面接を対面あるいは遠隔で行い、育休期間中の困難と対応について尋ねた。現時点で9組18名に面接を実施し、分析途中であるが、ほぼ飽和状況が見えてきているので、学会発表を予定している。結果は未定だが、男性育休中の夫婦の間には、心配事の差による諍いの頻発、2人で寝不足、夫による妻の情緒ケアの限界など、様々な困難が生じており、さらに様々な対応がなされていた。男性育休取得は母親の負担を減らし、父親の積極的な子育てに非常に有効な手段だが、実はこの時期は、育児初心者の夫婦2人が暗中模索で歩み寄ろうと挑戦を重ねる時期という様相が見えてきている。男性育休取得は夫婦にとって実に喜ばしいことだが、その期間をさらに円滑に過ごす具体的手立てをあらかじめ知っておくことは有用である。この度の第一段階の質的研究の結果は、男性育休を取得する初産夫婦への看護支援プログラムの作成に大いに役立つと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は倫理審査委員会からの承諾を10月に受け、11月から2024年2月にかけて、研究協力機関(5ヶ所)に依頼を行い、データ収集の開始は多少遅れ気味であった。しかし、2月下旬頃より対象者の応募が少しずつ始まり、軌道に乗ることができた。データ分析作業を続け、学会発表準備を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、まずは本研究第一段階の質的研究結果の学会発表を10月に行い、次にさらにデータ分析を洗練させて男性育休中の初産夫婦の困難と対応について論文執筆を開始し、学会誌への投稿を行う。また、同時に男性育休を取得する初産夫婦への準備プログラム案を作成する。プログラム案では動画も含めた視覚的教材を作成予定である。 2025年度は、本研究第二段階として、グループインタビュー方法により、専門家(学識経験者・産後ケア事業を担う助産師・子育て支援者など)数名、男性育休取得者数名によるプログラム評価を実施する。本プログラム案に多様な意見をいただき、プログラム完成を目指す。事前に研究計画書を所属大学倫理審査委員会に申請し承諾後に実施するものとする。 2026年度は、「男性育休を取得する初産夫婦への看護支援プログラム」作成と専門家等評価に至る過程について、学会発表及び論文投稿を進めることとする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は4つある。1つ目が、自動で逐語が起こせるソフトを購入したため、当初予定していた逐語作成の外注費が不要となったこと、2つ目が、プログラム作成に使用する専用カメラを未購入であること、3つ目が学会の遠隔開催などによる旅費の未使用が多かったこと、4つ目が共同研究者の研究費の未使用分があったこである。今後は、プログラム作成で使用するカメラや編集ソフト購入費、動画作成費(業者依頼予定)、学会参加費や旅費、共同研究者の研究費、wifiルーター購入、WEBサイト更新費などで使用する予定である。
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