2023 Fiscal Year Research-status Report
ハイリスクアプロ―チからボンディング障害の解明と周産期メンタルヘルス支援の再構築
Project/Area Number |
23K10133
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
若松 美貴代 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50433074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
津留見 美里 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20966428)
萬歳 優美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20968581)
小林 裕明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70260700)
井上 尚美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70264463)
水野 昌美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80806787)
中村 雅之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90332832)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ボンディング障害 / ハイリスクアプローチ / 赤ちゃんへの気持ち質問票 / エジンバラ産後うつ病質問票 |
Outline of Annual Research Achievements |
周産期にみられるボンディング障害については、親からわが子への一方向の関心、愛情が乏しく、子どもの虐待につながりやすいことが明らかになっている。世間の目と母親の羞恥心から打ち明けにくく、見過ごされやすい。また実態が明らかになっていないため治療も確立しておらず、産婦健康診査などでスクリーニングされてもその後の支援に結び付きにくい。一方でボンディング障害を一時的に疑う事例があっても、子どもの世話を通して愛情をはぐくんで行く母親の生理的なボンディング障害もあり、病的なボンディング障害の判別は難しい。本研究では、周産期にみられるの質的な違いを明らかにし、病的なボンディング障害を早期発見するための支援体制の再構築を目的とする。県下の産婦健康診査を受けた母親の既存データを用いて、生理的ボンディング障害と病的ボンディング障害の質的な違いとリスク要因、病的ボンディング障害の発症率と持続期間について明らかにする。 研究1 ハイリスクアプローチ:産科的ハイリスク者が多い医療機関に通院していた女性、約500名程度を対象にカルテからの既存情報と産後の赤ちゃんへの気持ち質問票(MIBS)、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の点数を用いて背景要因について分析を行う。また、妊娠中から産後のカルテ情報から、病的ボンディング障害と生理的ボンディング障害の経過と質的な違いがあるのか、リスク要因を明らかにする予定である。現在、倫理審査で承認された研究計画について、カルテからのデータ収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療機関での研究を行うための必要な手続き等に時間を要したが、現在順調にデータ収集が行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を行いつつ、ある程度収集の目途が立ったら、次の研究ステップへ移行するための研究計画について行政と打合せを行う。
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Causes of Carryover |
研究を実施するにあたり、倫理審査や医療機関での手続きに時間を要したため、残額が生じた。次年度は研究に必要な人件費や新しい知見を得るための学会参加などに参加に使用する予定である。
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