2023 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児の母親への心理的支援を目的とした子育てサポートブックの作成
Project/Area Number |
23K10148
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
小島 光華 兵庫大学, 看護学部, 講師 (10774086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 陽生 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 准教授 (20707343)
山本 知加 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
石井 篤子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (10911266)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 極低出生体重児 / サポートブック / 育児経験 / 母親 / 認識 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①極低出生体重児(ELBW児)を出産した母親の出産から生後1年までの育児経験にまつわる感情や認識を明らかにする(研究1)、②その結果から得られたELBW児を持つ母親特有のニーズを含めた子育てサポートブックを作成し(研究2)、その有用性を検証する(研究3)ことである。 ELVW児は成長・発達の遅れや知的・運動障害などの頻度が高いため母親の不安は大きい。不安の軽減には生後から乳幼児期の各期のニーズに応じた適切な育児サポートが不可欠であるが、本邦では出産後の母親がELBW児の養育における特有の経験(医師からの状態説明、母親の退院時の心境、面会時のケアなど)をどのように認識しているか、どのように変化していくかが明らかにされてこなかった。 また、出産から地域での育児まで母親の想いやニーズに添った切れ目のない支援を行っていくためには、NICU入院中から1歳ごろまでの、低出生体重児の出産に伴う母親の育児経験にまつわる感情や認識がどのように母親の心理的適応に影響を与えるかを把握することが必要であるが、これまでの研究は小規模なインタビューか量的な指標を用いた検討のみに限られており、その内容を多数例で検討した研究がない。 そのため本研究ではこれらの結果を反映し、専門家と先輩保護者のアドバイスを盛り込んだ、母親の不安や悩みに寄り添うサポートブックが開発されれば、①地域における支援の格差、②母子に何らかの要因により能動的にサポートを受けられない状況、③COVID-19禍のような育児支援の停止などの影響を受けることなく、全国の低出生体重児を出産した母親に必要な情報を届けることができ、育児不安の解消につながると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施予定であった研究1についてデータの入力が終了し、分析が完了した。 令和3年度は、研究1として文献レビューと並行して、【極低出生体重児をもつ母親の出産 関連する研究として、【コロナ禍における極低出生体重児の親子教室に求められる支援】を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.VLBW児の子育て支援に関する文献検討を進めていく。 2.データ分析方法の決定および分析。 3.研究1を論文化し、国内の関連学会で発表・投稿する。
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Causes of Carryover |
PCなどの物品は次年度に購入することに変更し、コロナ禍で学会参加を控えたことにより旅費に余剰金が発生したため、次年度に使用することとした。
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