2023 Fiscal Year Research-status Report
地域のMCI・初期認知症高齢者がACPに関する対話を促進させる支援プログラムの開発
Project/Area Number |
23K10208
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
秋定 真有 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (20738546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 桂子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (80335588)
石橋 信江 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50453155)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / アドバンスケアプランニング / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域で暮らす軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)および認知症の初期段階(以下、初期認知症)の高齢者が最期まで自分らしく生きることを目指し、家族等とアドバンス・ケア・プランニング(ACP :Advance Care Planning)に関する対話を促進させるための支援プログラムを開発することである。 研究開始初年度である2023年度は、MCI・初期認知症高齢者のACPに関する対話の実施状況のインタビュー調査を予定していた。インタビュー実施に向け、倫理審査の準備を進めると同時に、研究目的をより明確にすることを目的に、MCI・初期認知症高齢者のACPに関する先行研究における文献検討を実施した。文献検索は、医学中央雑誌Web版、PubMedを使用し、キーワードは、国内文献では、「アドバンスケアプランニング」「軽度認知症OR初期認知症OR MCI)」、海外文献では「advance care planning」、「 (mild cognitive impairment OR mild dementia)」とし、原著論文に限定して検索した。文献検索の結果、得られた国内文献は4件であり、初期認知症の人の将来の語りや当事者と家族の医療選択の意向の相違の報告であった。一方、海外文献では、当事者と家族介護者等を対象としたACPプログラムの実施と有用性の報告が5件で、対面や訪問による方法に加えWebツールの活用、ACPファシリテーターの導入がなされ、本人と家族間の意向の対立の減少、家族の将来のストレスと潜在的な罪悪感や苦痛の減少等が報告されていた。その他、ACPの障壁や影響要因の報告、阻害要因として、ACPの適切な時期を見つけることの難しさ、認知症特有の将来の不明確さ、今を懸命に生きる必要があること等の報告であった。我が国においては、初期認知症の人を対象としたACPに関する報告が海外と比較すると極めて少ない現状が明らかとなったことから、今後は、我が国の特性を踏まえたACP促進に向けた方法を検討する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、MCI・初期認知症高齢者のACPに関する対話の実施状況のインタビュー調査を実施予定であった。しかしながら、他業務が多忙であったことから、インタビュー実施のための倫理審査準備と研究協力者の確保に時間を要していることと、インタビュー実施に当たり再度研究目的を明確化する必要があると考え、先行研究の文献検討を行ったことから、研究の遂行が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力先は確保できているため、早急にインタビューに着手する。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画が遅延しているため、今年度実施する予定であったインタビュー調査に係る諸費用、成果発表のための費用等が必要である。
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