2023 Fiscal Year Research-status Report
地域在住精神障害者の就寝時の感情に着目した不眠の慢性化予防のための看護の検討
Project/Area Number |
23K10213
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
梅林 秀行 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (70909308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹木 弘美 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20275499)
林 裕子 天使大学, その他の研究科, 非常勤講師 (40336409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精神障害者 / 慢性不眠 / 就寝前のネガティブ感情 / 地域生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者の多くは、精神疾患が寛解した後も、夜間によく眠れない症状である不眠が生じ、不眠が慢性化することで再発のリスクの上昇や生活の質(QOL)の低下に繋がることが報告されている。本研究の目的は、地域で生活する精神障害者において、日常生活のなかで不眠が持続する要因を明らかにし、不眠の慢性化を予防するための看護支援を検討することである。 2023年度の計画では、予備的調査を進め、調査の脱落率などを検討し、その結果をもとに本調査を開始する予定であった。実際には予備的調査として、一施設の就労継続支援B型事業所に協力依頼をし、11名の研究参加者に調査を行った。日々の就寝前の感情と夜間の睡眠状況などに関する7日間のデータを、経験サンプリング法およびアクチグラフ(腕装着の活動量計)を用いて収集し、調査途中で中断の無かった9名分のデータについてマルチレベル分析での重回帰分析を実施した。その結果、地域で生活する精神障害者において、就寝前のネガティブな感情と夜間の不眠は日々相互に悪影響を及ぼしあっていることが明らかとなり、この研究成果を学会で発表した。 しかし、予備的調査により、欠損回答の多い項目や交絡要因となりうる変数を追加する必要性など研究計画の問題点も明らかとなった。現在、調査方法や交絡要因に関する文献検討を進めており、研究者間でのディスカッションを重ね、本調査に向けた研究計画の修正を行っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の後半から本調査を実施する予定であったが、予備的調査の結果、研究計画の再考の必要性が生じたため、やや遅れが生じている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、文献検討を再度行い、研究計画の修正点について研究者間で検討を重ねている状況である。2024年度は研究者所属の倫理審査委員会に研究計画の修正を申請し、本調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度に本調査の実施に至らなかったため、本調査に向けた調査参加者への謝礼やデータ入力作業の人件費、アクチグラフなど研究機器の追加購入などの費用を2024年度に繰り越す必要性が生じた。
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