2023 Fiscal Year Research-status Report
Withコロナ時代における思春期「サードプレイス」実践モデルの構築
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23K10245
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
下山田 鮎美 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20315576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 健 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60300935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 専門的実践 / 試行錯誤 / 当事者性 / ナナメの関係 / 相互作用 / 大学生としての欲求の充足 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍及びその後の状況下における「思春期サードプレイス」を実現する構成要素について当事者の視点から検討するために、「思春期サードプレイス」の活動への参加者および活動の支え手として参加していた大学生にとってコロナ禍における「思春期サードプレイス」はどのような場であったのかを明らかにすることを目的とした研究を実施した。 データ収集においては、半構成的インタビューを行った。前者については、インタビューを継続中、後者についてはインタビューを終了した。 後者においては、研究参加に同意が得られた7名から得られたデータについて、逐語録を作成し、意味のあるまとまりに焦点を当てコード化・サブカテゴリ化・カテゴリ化を行った。分析の結果、68のサブカテゴリおよび8のカテゴリが見いだされた。大学生たちにとってのコロナ禍における「思春期サードプレイス」は《中高生がここに居ても大丈夫と思えるようにする》《中高生との関係性を様々な関わりを糸口として築く》《中高生が力を得ていくプロセスに伴走する》《自分自身の学びと実践を循環させる》《サードプレイスの重要性や魅力に気づく》《サードプレイスについて願い考えるようになる》《サードプレイスを自分ごととして捉える動機が高まる》《サードプレイスによって得られるものがある》という場であることが明らかとなった。 大学生たちにとってのコロナ禍における「思春期サードプレイス」は、中高生の支援を試行錯誤しながら実践し、「思春期サードプレイス」に対する気づきや考え持つようになる場であった。また、このような場を自分ごととして捉える動機を高め、自分にとって得られるものがある場としても意味づけていた。本研究の意義は、大学生による「思春期サードプレイス」での専門的実践が、中高生との「ナナメの関係」における相互作用と大学生としての欲求の充足によって促されていたことを見出した点にあるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、コロナ禍及びその後の状況下における「思春期サードプレイス」を実現する構成要素について当事者の視点から検討するために、「思春期サードプレイス」の活動への参加者および活動の支え手として参加していた大学生にとってコロナ禍における「思春期サードプレイス」はどのような場であったのかを明らかにすることを目的とした研究を実施した。前者については、インタビューを継続中、後者についてはインタビューおよび分析を終了した。前者のインタビューも残り2名となり、早々に分析に移行することが可能であることから、概ね順調に進展しているとみなした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、コロナ禍及びその後の状況下における「思春期サードプレイス」を実現する構成要素について当事者の視点から検討するために、「思春期サードプレイス」の活動への参加者にとってコロナ禍における「思春期サードプレイス」はどのような場であったのかを明らかにすることを目的とした研究を継続する。 また、各インタビューを通じ「思春期サードプレイス」が抱える課題としてが浮き彫りとなったことから、この点に着目したWeb調査および当事者を対象とした質問紙調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、インタビュー逐語録の作成において、AIによる自動文字起こし機能つきICレコーダーを用いることが可能となったことから、逐語録作成に伴う費用を大幅に減額することができたことによる。この残額分が生じたことによって、R6年度のWeb調査および質問紙調査の規模を拡大することが可能になった。より多くの成果が得られるよう、効果的に活用していくようにしていきたい。
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