2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢者が在宅で実施可能なサルコペニアの嚥下障害予防プログラムの開発
Project/Area Number |
23K10324
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
平田 文 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30582077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉智 雅子 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (00465478)
沢谷 洋平 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00848632)
浦野 友彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (20334386)
石坂 正大 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60734621)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | サルコペニア / 嚥下障害 / 高齢者 / 前舌保持嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者が在宅で実施可能なサルコペニアの嚥下障害を予防するプログラムの開発である。そのため、本年度は以下の2点を中心に研究を実施した。 1つ目は、地域在住高齢者を対象にサルコペニアと口腔・嚥下機能に関する調査を行い、その特徴を明らかにした。地域で生活する高齢者の13%はサルコペニアに該当し、口腔・嚥下機能の低下を自覚的に感じている者は25%存在した。また、縦断的な分析においては、嚥下機能の低下が疑われる者はそうでない者に比し、有意にサルコペニアのリスクが高いことが示された。これより、地域在住高齢者がサルコペニアの嚥下障害を予防するためには、身体機能だけでなく口腔・嚥下機能も含めた包括的トレーニングの必要性が明かになった。 2つ目の課題は、地域在住高齢者が嚥下障害予防のために在宅で実施可能な嚥下訓練プログラムの検討である。我々は、地域在住高齢者における嚥下障害予防として、前舌保持嚥下法の導入を検討している。前舌保持嚥下法は、自身の舌を前歯で軽く挟み、その状態で唾液を嚥下する嚥下筋レススタンストレーニングである。この前舌保持嚥下法を地域在住高齢者が8週間実施し、口腔機能が低下している高齢者は前舌保持嚥下訓練を行うことで舌圧が向上することが予備調査で示された。本研究より高齢者に適した運動負荷量を掛けた前舌保持嚥下訓練はサルコペニアの嚥下障害を予防できる可能性が示唆された。今後、高齢者が実施可能で訓練効果が高い前舌保持嚥下法の訓練プロトコルを開発していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域在住高齢者の口腔・嚥下機能と身体機能に関する調査研究を行い、関連学会において論文投稿及び学会発表を行った。また、本研究に関する研究フィールドの調整を行い、介入研究に向けた準備が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、高齢者の嚥下機能維持に適した前舌保持嚥下法の訓練プロトコルの開発を行う。訓練の負荷量が異なる2群とコントロール群を設定し、3群における訓練効果の検証をランダム化比較試験で行う。また、地域在住高齢者における前舌保持訓練のアドヒアランスに関する調査を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、地域在住高齢者における身体機能と口腔・嚥下機能の関連性に関する調査研究を中心に実施した。また、介入研究に向けて協力施設との連携および倫理申請等を行った。そのため、研究参加者に対する謝金や計測機器を購入していないため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)