2023 Fiscal Year Research-status Report
自殺念慮をもつ身体疾患のある在宅療養者に対する訪問看護実践ガイドラインの開発
Project/Area Number |
23K10325
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
千々岩 友子 福岡国際医療福祉大学, 看護学部, 教授 (40637104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 佳代子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (40295564)
衞藤 暢明 福岡大学, 医学部, 講師 (40535100)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 自殺念慮 / 身体疾患 / 訪問看護 / 在宅医療 / ガイドライン / home visiting nurse / suicide prevention / 在宅療養者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、身体疾患をもつ在宅療養者の自殺念慮の深刻度に応じた系統的、かつ現実の訪問看護実践に適応させた訪問看護実践ガイドラインを開発することである。研究遂行は、【1段階】及び【2段階】の順で進める。【1段階】は、自殺念慮をもつ身体疾患のある在宅療養者への訪問看護実践ガイドラインを策定することであった。2023年度は、既存の自殺対策に関連する国内外のガイドラインを収集・概観した。参考となる国内ガイドラインは15本、海外ガイドラインは1本でありガイドラインに含まれる項目を整理した。ガイドラインの項目は、そのガイドラインが対象とする範囲の〈自殺の現状・課題〉〈ガイドライン適応範囲・使用方法〉〈アセスメント・評価〉〈対応〉〈教育〉に分類された。 研究者らが実施した先行研究(身体疾患をもつ自殺念慮を有する在宅療養者への訪問看護実践モデルの開発)では、訪問看護師は①自殺念慮をもつ患者の自殺のリスクアセスメント、②自殺念慮をもつ患者のコミュニケーションに課題があることが明らかになっている。さらに、訪問看護のシステム上の課題として③訪問時間の制約によるケアの制限があることや、④訪問時間以外の空白時間への対策の必要性も挙げられた。 ガイドラインに含まれる内容については、臨地の実情に適応させたものにする必要があり、そのためには1つのモデルとして精神科訪問看護師の在宅療養者に対する自殺ケアが参考になりうることが考えられた。したがって、精神科訪問看護師の自殺ケアの現状を明らかにする補足研究を実施することにした。補足研究に関しては、倫理審査の承認を得たため、これからデータを収集していく状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究計画では、身体疾患をもち自殺念慮を有する人々をケアする訪問看護師のための訪問看護実践ガイドラインの項目を抽出することであった。既存の自殺対策に関するガイドラインを概観し整理はできたが、臨地の実情に適応させるための補足研究が必要となったため「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、補足研究として精神科訪問看護師を対象にした自殺念慮を有する在宅療養者に対する自殺ケアの実態を明らかにする。この結果を本研究の目指す訪問看護実践ガイドラインに反映させる。補足研究の必要性が生じたことでガイドライン作成に時間を要すことが考えられるため、第2段階のガイドライン検証のためのフィールド開拓の準備を早期に行い、ガイドライン作成後に速やかに第2段階の研究が実施できるように準備する。
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Causes of Carryover |
2023年度はガイドライン作成のために既存の国内外のガイドラインを入手し整理した。これらの文献はすべて無料で入手できた。また2023年度は研究代表者の所属機関の異動により研究打ち合わせに旅費等が発生せず、当該助成金を使用することはなかった。2024年度は補足研究の必要性があり、インタビュー調査による旅費、謝金、またこれらの結果公表のための学会参加旅費や論文掲載料等が発生する予定である。
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