2023 Fiscal Year Research-status Report
地域で暮らす統合失調症をもつ人に訪問看護師が行うレジリエンス支援の有用性評価
Project/Area Number |
23K10370
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大平 幸子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (40612619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 光信 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90300227)
河野 あゆみ 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20401961)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | レジリエンス / 精神科訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域で暮らす統合失調症をもつ当事者に対して訪問看護師が行うレジリエンス支援の有用性評価をすることを目的とする。 厚生労働省は、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすために、地域の中で日常的かつ継続的な医療の提供機能をもつ訪問看護のさらなる充実と強化が必要だとしている。精神障害者はスティグマや社会参加の阻害等から孤立しがちであるほか、症状に伴う意欲低下や日常生活技能の低下といった生きづらさを経験することがある。よって、地域で暮らす精神障害者の地域生活の支援においては、病気の悪化を予防する支援と共に、当事者が経験する生きづらさを克服することを支える心理社会的な支援を充実させる必要があると考える。そこで、生きづらさの要因となる様々な逆境を精神障害者自身が乗り越えるために必要な力、すなわちレジリエンスを高めるための訪問看護師による支援を開発する。地域で暮らす精神疾患をもつ当事者がレジリエンスを高めることができれば、再び社会に適応し自分らしい暮らしを実現することが可能になると考えた。 まず課題1として、精神障害者のレジリエンスの概念分析(大平ら,2020)を基に本支援の内容と方法およびツールを作成した。 次に課題2として、地域で暮らす統合失調症をもつ当事者を対象に、レジリエンス支援を実施し有用性の評価を行った。本支援は訪問看護ステーションを利用している統合失調症をもつ当事者を対象とし、承諾の得られた施設を介入群と対照群に割り付けた。介入群には精神科訪問看護で提供される通常の支援に加えて本支援を実施し、対照群には精神科訪問看護で提供される通常の支援のみ実施した。介入実施1週間前と実施開始から2か月後、3か月後の3時点で評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラムの開発、実施、調査まで終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた調査データを分析し、論文投稿に向けて進めていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた学会参加ができなかったため、当該助成金が生じた。 翌年度は、論文投稿に向けて必要な文献の取り寄せや書籍の購入が必要となる。それに加えて翌年度分として請求した助成金については、学会参加のための交通費等のために使用する予定である。
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